ジャワ中部地震から6か月 (No 12)

「超・ミニ時限的市街地」がバンドン村に!
 「時限的市街地構想」というのは、東京都が阪神・淡路大震災の教訓から、来るべき東京直下型地震に備えて復興マニュアルに位置づけた構想のこと。東京に大地震が来たら、全壊・半壊家屋が大量にでるが、仮設住宅を建てるにも土地がないという厳しい現実がある。また、帰宅難民となる人たちが、一時関東エリアで約600万人も滞留すると言われている。また、高層マンションも林立している等難しい問題が山積しているが、とにかく大災害に遭えば、その場でまず「仮の住まい」を確保しなければならない。その上で、元の地域がとりあえず災害前に復旧するまでには、同じく壊れているだろう学校・コミュニティセンター・商店街・公園・郵便局・警察・病院などいわゆる公共的施設も、仮に建設されなければならない。つまり時限的にでも「仮設市街地」のデザインを描かなければ「暮らし」はスタートできないということだ。そのために東京都では復興協議会が設置されることになっている。この市街地の超ミニ版となると、○○区○○町○○丁目ほどの規模となるわけだ。
 以前、「成長する家」で紹介したバンドン村セウォン集落では、「超ミニ時限的市街地構想」が始まっている。ここでは自治組織の最小単位である「RT=エルテー」があり、RTが3、4つ集まって(日本でいうと中学校区くらいの単位になる)、ここに公共施設として「公園」が欲しいとなった。住民は村長に相談し、「公園が欲しい!」と嘆願する。公園のために一時土地を貸そうという個人篤志家もいたのだが、この集落では結局、村所有の土地を譲り受けることになった。今、青年団の指導のもと、中・高・大学生等の手によって、セウォンの手作り公園が造られようとしている。こうして個人の住まいを確保した次のステップでは、地域とのつながりを豊にするための、「機会」や「場」として公園が活躍しようとしている。この公園に今、若者が集まり「竹製のあずま家」を造っている。災害後の地域コミュニティづくりの核になるだろうと期待できる。ところで「完成したらそのあずま家は何に使われるの?」と聞いたら、「電気代徴収のための窓口になる。」というのである。たかが公園だが、果たして一体どのようなコミュニティ再建の機会として、また場として完成していくのだろうか?興味津々である。