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ジャワ中部地震から6か月 (No .2)

待ちに待った「恵みの雨」が・・・・
 本来ならば10月には雨期に入っている筈が、今年は相当遅れているそうだ。11月に入っても雨は降らなかった。田畑の土は干上がって悲鳴を上げていた。ところが、滞在中の最後の日に「恵みの雨」が降った。バケツの水をひっくり返したようなスコールが約40分続いた。「あ~、これでチャベンのサトウキビも喜んでいるだろうな!」と思った。それにしても現地の人は、空の雲の色・湿気を含んだ重たい空気などで「今日くらいに、いよいよ来るよ!」なんて言いあっていたのが印象的だ。日本のように、局地的な集中豪雨に見舞われるのも困るのだが、ほんとに自然の恵みを感じる瞬間と云える。人が生きていく上において、自然環境との共存や共生というものがほんとに大切なんだと痛感さ
せられた。

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 住宅資材も、地域に蘇生している木々や竹・ヤシなどを使用していると、常に気候のことも気がかりになる。しかし、こうして住まいと向き合うことによって、自然との共存・共生ということの実感がわき起こる。さらには、その土地で育った資材を使うと云うことは、その時々の季節も感じながらの「暮らし」がそこにあるということである。
(チャベン:被災地バントゥール西南部の一集落の名前)

ジャワ地震から6ヶ月



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11月27日でジャワ地震から6ヶ月が過ぎました。みなさまのご支援で実施してきたボトクンチェン集落RT-2(バントゥール県バングンタパン市ウィロケルテン村)の25軒の住宅再建プロジェクトは、おかげさまでほぼ完了致しました。ほんとうにありがとうございました。先日11月19日から24日までの間、事務局長の村井が住宅の完成式(日本でいう棟上げ式)に出席してきましたので、その模様を含めて今日から数回に渡ってレポートさせて頂きます。村井は、ボトクンチェン集落の他に、震源地に近いセウォン村やバンバンリプロ市チャベン集落の被災地も見てきました。6ヶ月後の復興格差を随所に感じてきたようです。
                             CODE事務局
 やっと政府からの援助がスタート!
 5月27日の地震発生直後、被災地を抱えるジャワ中部ジョクジャカルタ特別州知事は、「全壊および半壊の被災住宅には、州政府が責任を持って支援する。」と早々と宣言したのだが、実は、実際には8月末までその補償が実施されることはなかった。それでも被災者の多くは、「雨季に入るまでに完成しなければ」と喜びを堪えきれずに、満面の笑みを浮かべながら、本設の住宅建設に一生懸命である。ジャワ独特の「ゴトンロヨン」という相互扶助による建設が特徴的で、大工さんという技術者が関わることなく、まったくの素人で(ノン・エンジニア)で建ててしまうことが多いため、耐震技術や施工が徹底できるかは疑問を感じることもある。ただ、もともと被災地に建っていた多くの住宅の場合は、短期間でも研修を受ければノン・エンジニアでも不可能ではないが、監督者として一人でも技術者が加わっておくことが必要だろう。これまで多くの被災地を見てきたが、今回ほど「すまい」「暮らし」「地域」「コミュニティ」について学んだのは初めての経験だ。