ジャワ中部地震第二次調査団レポートNo.5


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「はじめの一歩」No.4                         
 CODEが実施していく耐震住宅再建プロジェクトをエコさんの名前と環境のエコのゴロ合わせとして”エコ・プロジェクト”と名づけました。8月4日の読売新聞でも紹介されましたが、まさにエコ・プロジェクトにふさわしく、地域で育った竹やヤシの木を建築資材とし、地震で壊れた家から使えるレンガやコンクリート・ブロックや材木などを再利用します。さらには小さな子どもたちやお母さん方までもが再建に重要な人材として担い、加えて各家庭の財産である牛・鳥・アヒルから畑で栽培している野菜、村の中で育てている果実などなど、まさしく”地域循環型再建活動”として”はじめの一歩”を踏み出しました。特に、住宅を建てる時にその地域で育った資材で作られる家は、その風土に馴染んでとても強い家になるそうです。日本では、2004年10月に発生した新潟中越地震がそれを証明する顕著な事例だと言えます。毎年半年近くは豪雪に包まれる厳しい環境で育った木材を使うから、あの地震でも壊れなかった家々が少なくありません。
 先述したように、この国ではレンガ造りの家に住むことによって社会的地位が高く見られるそうですが、ただレンガを積み上げただけの構造で、レンガとレンガを接着するセメントは、およそセメントらしくなく、泥を固めただけの素材であったり、主要な部分には鉄筋さえ入っていないという実態で、とにかく驚かされます。竹やヤシの木を活用した家造りの技術は目を見張るものがあるのに、どうしてレンガ造りとなるとここまでずさんなのか、理解に苦しみます。今回の痛みを教訓とし、地域にあるあらゆる財産に誇りを持ち、”エコ・プロジェクト”を完成させたいものです。このことが、きっと村の輝かしい未来を築く”はじめの一歩”となることを願っています。