ジャワ中部地震第二次調査団レポート No.6


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「はじめの一歩」No.5                         
 ”エコ・プロジェクト”を担う一人のエコさんは、いつも穏やかな口調で熱い思いを語ります。彼は故ロモ・マングンの弟子でもあったので、ロモ・マングンの思想を受け継いでいるようです。エコさんの人生そのものが、ロモ・マングンの生き方と、重なっているように思えました。
 わずか数時間のことでしたが、エコさんの素晴らしいところの一つは、自分の我だけで事を進めないところです。バンブーハウスを専門とするエコさんは、できればもっとたくさんの竹を使用して、住宅を再建したいと考えるところですが、村人の”社会的地位に対する心配”を十分に配慮し、壁素材としては竹を使うのではなく、厚さ4mmの新建材ボードを使用しています。構造上重要な柱はヤシの木を使い、屋根を支える骨組みの一部は竹を使い、また雨期などの水の影響を受けやすい事も考え、地面と直接接している部分は、地から20㎝ほどかさ上げするというように細かい配慮も随所に施されています。竹・木材は、防水や防虫のために、時間をかけて、処理をします。こうした事前処理をすれば、30年間住宅が保てるそうです。
 もう一つ、エコさんが設計する住宅の特徴は、重要な家の駆体となる部分の柱が、アーチ状の作りになっており、何カ所も力が分散できるような構造になっていることです。住民の一人は、柱と柱をつなぐ横サンに、”2006,5、27”と刻んでいたのが印象的でした。こうして住民一人ひとりの思いを刻んで、この村の”はじめの一歩”がスタートします。みなさん、暖かく見守って下さい!そして災難続きのジャワの人たちを支援して下さい。