【2012年ハイチ訪問レポート No.2】

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■2012年ハイチ訪問レポートNo.2
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ハイチの物価は決して安くありません。露店のペットボトルのジュースは1本25グールド(50円)。屋台で昼食を食べれば一人100グールド(200円)、町の食堂に入れば200グールド(400円)。洗濯用にと思って露店で買ったバケツは1つ100グールド(200円)でした。路上で売っている音楽CDは――明らかにCD-ROMにコピーしただけのものですが――1枚100グールド(200円)です。40歳くらいの「ヒラ」の公務員の給与が月500ドルだそうですから、物価の高さがうかがえます。ちなみに富裕層しか利用できないような冷房の効いた大型スーパーマーケットに行けば、クッキー1パックが80グールド(160円)、500mlの水1ダースで170グールド(340円)です。最も貧しい人はどうやって生きているのか?混乱しますが、ハイチには、幾通りかの物価の世界があるようでした。震災後、外国からの援助流入による影響もあり、物価は安定しないようです。
一方、IOMが避難キャンプからの立ち退き支援費用(家賃補助)として1世帯に渡しているのは500ドル。これは、つつましく食べていくだけなら1年間はもつ額だといいます。しかし、生活とは食べていくだけのことではありません。栄養状態が悪いため、病気にかかりやすく医療費がかかります。子どもの教育費は、ハイチでは生活を圧迫する大きな出費です。そして最大の問題は、働きたくとも仕事が無いのです。
他の支援団体の話では、キャンプは明らかに少なくなったといいます。「ここもテントだらけだったんですよ」と指し示されたところは芝生の広場になっていました。「でも、キャンプを離れた人がどこに行ったのかはわかりません。」
「アビエーション・キャンプ」と呼ばれる避難キャンプの側を通ると、ちょうど2年前にCODEの野崎理事が撮ってきた写真と同じ風景が目の前に広がったため、すぐそこだとわかりました。そのままの同じ風景だったからです。テントは減っておらず、敷地を埋め尽くしていました。「キャンプにいれば、食事ももらえるし教育も受けられる。本当は出て行きたくない人も多いんです。」
(岡本 千明)