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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—42

4月5日の神戸新聞夕刊に「タリバン収入源の麻薬禁止」という見出しの記事が、カブール共同の配信で流されていました。記事によると、「暫定政権のハナフィ副首相は別の作物栽培などに置き換えるための協力を国際社会に求め『世界が安全に過ごせるようにする』と語った」と。

CODEが2003年からアフガニスタン支援のプロジェクトとして、昨年8月15日タリバン暫定政権樹立まで続けて来たぶどう農家の再生支援については、これまで何度も伝えてきました。2007年から2009年までの3年間はJICAの「草の根技術協力事業」に採択され、日本で有機栽培によるぶどう栽培の方策を学んできました。1年目は、兵庫県の佐用町での研修でしたが、研修プログラムの中に“大豆”製品の加工についての見学をしました。実はその目的というのは、アフガニスタンでのアヘンの原料になるケシの栽培を、大豆に変えられないかと思ったからなのです。

佐用町では“餅大豆”というのが特産でもあり、「もち大豆味噌」を生産しています。豆腐作りも見学と実習をされました。もち大豆は、国産でわずか0.01%の希少種だそうで、ぶどう栽培についても有機によるぶどう栽培を学んだ山梨県牧丘の農家・澤登さんからの教えは、「品種にまさる技術なし」でした。このことを思い出したのは、もしかすれば、大豆も「品種にまさる技術なし」で、もち大豆のような希少種が産まれれば、より大豆栽培に力をいれるのも、あながち筋違いでもないのでは・・・・・と思いました。ケシ栽培の土壌ではいろいろな作物の栽培が可能でしょうが、大豆は間違いなく、ケシ栽培の土壌でも育つと、CODEの賛同者である農家さんは言われました。

ところで、同記事には「国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、アフガンは2020年には世界に流通するアヘンの85%を生産。麻薬流入はロシアや欧州の脅威となっている」とありました。

このUNODCのスウェーデン事務所の出先機関としてアフガにスタンに支所を置いていたのですが、その支所で働いていたのが、CODEのプロジェクトのカウンターパートの一人だったのです。彼と一度こんな話をしました。「日本も、米・英に加担してアフガニスタンへの攻撃に参戦してきたようなものだ。つまり、私は加害者の国の一人だ」と言ったときに、彼は「いやいや、私たちもケシというアヘンの原料を栽培し、世界中にばらまいているようなものだ。これを止めなければダメだ!」と返ってきました。彼は、その言葉とおりUNDOCの職員として働いていたことを知るのは、残念ながら彼が亡くなってからのことでした。私が彼と出会ったのはインド・グジャラート地震のあとでした。その後、アフガニスタンで再開したCODEのぶどう農家再生プロジェクトのサポートもして頂いていました。今、彼が生きていたなら、この麻薬禁止というタリバン暫定政権の発表をどのように受け止めたことでしょう。あの時、佐用町で初体験したもち大豆仕様の味噌や豆腐づくりのことを思い出してくれたでしょうか・・・・・?
(CODE事務局:アフガニスタン 担当 村井雅清)

アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—41

「前号NO40」でアフガニスタンから国外退避をされ、偶然当事務所の近くに住んでいる3人のご紹介しました。うち一人は第三国のドイツに行かれました。またもう一人は、アフガニスタンに残してた奥さんを日本に連れてくるために、一度アフガニスタンに戻りました。今、神戸に住んでいるのはSさん一人になっています。前号で紹介しましたように、Sさんは奥さんと3歳の息子さんをアフガニスタンに残したままです。

当事務所の近くに住んでおられることがわかって以来、コープこうべさんから寄贈されたお米や兵庫県たつのや丹波からのフードロス新鮮野菜を、週一回のペースで届けています。
届けたついでに、いつも少しの時間ですが日本での暮らしのことやアフガニスタンの故郷のことを話題にしています。CODEが2003年からアフガニスタンのぶどう農家を支援してきたこと、日本で有機栽培を学んだこと、その後は有機栽培ぶどうからのレーズンを日本に輸入して、CODEがネットで販売していることなどをお話しすると、「私の祖父も大きなぶどう園を持っていて、ぶどうを栽培しているよ!」と言われ、「これまた偶然だなぁ・・・・」とビックリしました。Sさんは、私たちがSさんを当初訪ねた理由はビジネスとしてアフガニスタンのレーズンを扱っていたが、昨年の政変以来ぶどうの入荷が途絶えてしまったので、何かいい知恵がないかと相談に来たと思ったようで、それで祖父がぶどうを栽培しているよ!という話に発展したようです。残念ながら私たちが扱っているぶどうは、有機栽培で育てたものなのでお世話になる訳にはいかないという結果になりました。

先日訪問した時に、「アフガニスタンに残している奥さんと子どもは、無事日本に迎え入れられるようですか?」と尋ねたら、「難しいですね!!」と言われたので、「余計なことを聞いてしまった。」と反省させられたのですが、手続きなどの問題なのかと考えていたら、「言葉のこととか、食事などの生活習慣、子どものことなど・・・・・」と寂しそうに言われました。
こうして国外退避ができても、その国で暮らすことにも大きな壁があることを、私たちは理解しておかなければなりません。

さて、ロシア・プーチン政権がウクライナに進攻して以来、マスコミはじめあらゆるメディアもこのニュースばかりです。もちろん、今、最優先の国際社会の問題であることは間違いないでしょう。
決して「恨みがましく」いう訳ではありませんが、昨年の8月15日にタリバン暫定政権が統治をはじめて以来、アフガニスタンも人道支援が必要で厳しい状態が続いています。日本政府は、ウクライナからの“避難民”受け入れには、これまでの難民受け入れ対策では考えられないほど、スピーディーかつ手厚い(というほどでもないが)政策を打ち出しています。是非、アフガニスタンからの難民受け入れも同様の政策を打ち出して欲しいものです。

今朝(3月24日)の朝日新聞で、タリバン暫定政権が女性に対する就学について、一旦中・高までは認めていたのですが、新学期の当日の朝になって許可を撤回したというニュースが報道されていました。国際社会の関心が薄れつつある状況で、タリバン暫定政権の対応が後退することに心配せざるを得ないのです。引き続きアフガニスタン支援にもご協力をお願いします。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—40

NO、39号を配信してから、3カ月もたってしまいました。心からお詫びいたします。2003年から始めたアフガニスタンのぶどう農家支援のパートナーであり、その後有機栽培によるレーズンを日本に送り続けて下さったFさん(23歳)との交信が途絶えていました。彼を含めて家族12人が、国外退避を望んでいたので大変心配していたのですが、年が明けしばらくしてつながりホッとしたところで、また途絶えました。通信環境が非常に悪いとのことで、現在もほとんど中断したままです。

さて、今日はアフガニスタンから国外退避を果たし、なんと兵庫県内に住んでいる3人のエンジニアのことを紹介します。(2022年1月22日付け神戸新聞に掲載されました。)
同紙によると3人は神戸情報学院大学でIT技術を学んでいたという経歴があり、国外退避に必要な3人の保証人が現れたことから、昨年の8月15日以降に比較的早い段階で国外退避が可能になったようです。
先日吉椿事務局長と共に、現在残っているお一人のアフガニスタン人Sさんにお会いしてきました。あと二人の内、すでに一人は第3国に出国し、もう一人はアフガニスタンに残した奥さんを日本に連れてくるために帰っているとのことです。実はSさんもアフガニスタンに奥さんと3才の息子さんを残し、単身で国外退避をされたのです。
故郷に残した家族を日本に呼び寄せるために、下記のURLにあるように救出費用を呼びかけています。みなさん、是非ご協力をお願いします。(https://gofund.me/8fe2d5b3

本レポートは、今号で40号目ですが当初から「アフガニスタンからの贈り物に感謝!!」としています。それは、実に40年以上にわたる戦禍の中でも、アフガニスタンから学ぶものが多いからです。特に2003年からぶどう農家を再建するという支援プロジェクトをはじめたことにより、干ばつという自然の厳しさの中にありながら、自然との共生を日々の営みとして歩むアフガニスタンの暮らしからの学びです。すでに何度も書きましたが、アフガニスタンには「お金がなくても生きて行けるが、あのヒンズークシュに雪が積もらなければ行きていけない!」という諺があります。日本においても同じだが、農業から学ぶ本質は同じ意味合いだろうと痛感します。

もう一つの学びは、Sさん曰く「(アフガニスタンでは)国を愛して、諦めないで努力する若い世代がいる。自分たちもそう。今回の政治的な駆け引きで、何も分からないまま突然に被害を受けたが、平和なアフガンになるのは遠い未来ではない。重要なのは『教育』だ」と断言しているように、必ずや自国が平和な国になることを確信しているということです。
実はCODEのパートナーとしてサポートしてくれたFさんも、これまでの交信の中でも同じことを言っていたのです。CODEは先述のSさんを支援するということは、やがてFさんを支援することにつながるのではないかと考えているのです。しかも偶然とはいえ、Sさんの祖父もぶどう農園を営んでいたと聞いた時には、SさんとFさんがダブって見えてきたのは・・・・・・・?
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

*アフガニスタン支援にご協力ください!ご寄付はこちらからお願いいたします。
なお、上記のSさんへのご支援をご希望される方は「Sさんへ」と記入ください。

アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—39

前号NO38を配信したのは10月26日だった。その前日国連食糧計画(WFP)は、アフガニスタンは「世界最悪の人道危機の一つに陥っている」とし、11月以降、人口の半分以上にあたる2280万人が飢餓状態になると発表した。特に子どもの死者が多数出ているという報道もある。加えて、先日も北東部マザリシャリフで人権活動をしていたアフガニスタンの女性が殺害された。そして、女性に対しては、外出制限や教育の権利を剥奪するという事態が続いており、報道機関が閉鎖に追い込まれるという事態も。

一方で、中国とロシアが主導し、「制裁ではなく、対話だ」とアフガニスタンの安定を主張している。また中国はパキスタンからの呼びかけに応じるように、インド・ロシアとともに暫定政権タリバンを「包括的な政権」の樹立をアピールしている。
関係国が混迷したアフガニスタンの状況を憂い、こうして心配することは歓迎されるだろうが、しかし、何故か率直にそのアピールを受け止められない。どうも、各々の国の思惑がチラチラ見え隠れし、そのために関与しているだけではないのかと疑いたくなる。
もちろん、飢餓状態にあることは疑いの余地もないし、各国が「人道支援」を目的に資金も拠出することをすでに表明している筈なのに、状況が好転しないのは何故なのか?あまりにも時間が徒過しているような気がしてならない。

清末愛砂さん(室蘭工業大学大学院教授)は、「支援上の問題の一つは、海外からの送金が難しいという点だ」(朝日新聞2021・11・12)と指摘。アフガン政府の海外資金を凍結していることがその要因らしい。当NGOも現地に送金しているが、やはり引き出せない。各国の政府としての支援がスムーズに行われないならば、平行して人道支援を主とする各国のNGOに託し門戸を開ければ、実質の支援が届くのではないか?NGOが、国際社会に存在している意義を積極的に受け入れるべきだろう。
でも、同時にもちろん人道的支援が喫緊の課題で一刻も早く支援が現地に届くようにすることが第一優先だが、同時に支援国が配慮しなければならないのは、アフガニスタンの女性や若者が、この混迷したアフガニスタンの将来に希望を持てているだろうかという懸念だ。もしかするとタリバンが全土を制圧してから3カ月になろうとしているが、人々がこうして自分の国に誇りも、希望も持てないという事態に陥っているとすれば、これは大変なことではないか?

先に紹介した清末愛砂教授は、「日本を含む国際社会が支援をスムーズに行うには、タリバンと交渉しなければならないが、交渉イコール暫定政権を認めることにはならない。制裁をしていたら人道危機の解決にはならない。タリバンには一定の支持者もいる。現地の人の手でアフガンが変わって欲しいと願うのであれば、粘り強く交渉したほうがいい」と。

まもなく阪神・淡路大震災から27年が来ようとしている。その27年前に私たちが被災地KOBEで学んだことは、「復興の主体は被災者自身だ」ということだった。私が初めてアフガニスタンに入り、帰国した2003年に、マスコミの取材を受けた時に、強く主張したのは、「復興は住民主体!」ということだ。
いまこそこの視点を、あらためて根づかせなければならないのではないだろうか・・・・・・。
(CODE事務局:アフガニスタン 担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—38

10月24日付け朝日新聞が、「アフガニスタンなどからの欧州連合(EU)を目指す移民・難民の流れを遮ろうと、域外と接するギリシャやポーランドなどが、国境に壁や鉄条網を設けている。賛同する加盟国は22日のEU首脳会議で建設費補助を要請。人権尊重か「難民危機」回避か。EUは対応に苦慮している」と報じていた。

全くケースは違うのだが、8月15日以来アフガニスタンではタリバン暫定政権が立ち上がり、国際社会は、そのタリバン政権を「正式に承認するのか、それとも女性に対する自由の剥奪や子どもの飢餓、アフガニスタン全体の貧困に対する人道支援優先か?」と議論をし続けているが、同じではないのか?と思う。アフガニスタンに人道支援を優先する動きが国連はじめG20の首脳会議でも財政支援をはじめ人道的支援優先を決めている。
EUは、コロナ禍においても加盟国の財政悪化に対して、コロナ対策として約97兆円の復興基金を積み、財政支援をしている。また、「環境規制の緩い国からの輸入品に課税する“国境炭素税”導入も検討している。

数年前からシリアとアフガニスタンからの難民が押し寄せ、各々の加盟国にとっても深刻な事態になっていることは理解できる。国際社会の中でも、難民の受け入れに極めて消極的な日本に住む者が、こんなことを言うのは“お門違いだ!”と言われても仕方がないのだが、EU加盟国は門戸を開いて欲しいと願うしかない。同時に、そもそもアフガニスタンから命懸けで国外退避をしなければならない事態を解消することを優先することも喫緊の課題だろう。

以前に本レポートでも主張したが、カタールのように世界中の国々が「アフガン村」を立ち上げ、アフガニスタンからの国外退避者を受け入れ、アフガニスタンの治安が安定すればいつでも母国に帰してあげるという対応をして欲しいと願うのは、難しい提案なのか?                             (CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—37

朝日新聞2021年10月19日付けのオピニオン&フォーラムで「アフガンに選択肢を」というインタビュー記事があった。見出しに「現地の軍閥解体へ 武装解除に奔走 治安悪化し『挫折』」という見出しが気になった。認定NPO法人「REALs」理事長 瀬谷ルミ子さんの話だ。「イスラム主義勢力タリバンがアフガニスタンで再び権力を握った。同国でかつて武装解除(DDR)活動を担った一人が、紛争地支援の専門家」(同紙)が彼女。外務省から「アフガニスタンの武装解除に協力してほしい」と要請されたようだ。2003年から2年間、赴任された。同紙によると「政府の一員として米国などが敷くレールの上で働くことに抵抗感はありました。でもそれまで平和国家と言われながらも『お金を出すだけ』というイメージの強かった日本政府が、紛争解決に取り組もうとしていた。ならば自分も貢献しようと思いました」(同紙)。でも「自分は本当に現地の人々のニーズに応えられているいるのだろうかという疑問がぬぐえなかった」「私たちが活動する間にも現地の治安はみるみる悪化していき、追い払われたはずのタリバンが復活し始めました」「このまま武装解除を進めることはアフガニスタンの不安定化につながるのではないかと私は思いました。しかし、加速した武装解除の流れは止められませんでした。和平プロセスのレール自体を変える方法は、いくら考えても、私の力では思いつけなかった」(同紙)と挫折を吐露されている。
インタビュアーの「アフガニスタンでの挫折経験は、瀬谷さんの紛争地支援をどう変えたのでしょう」という質問に、彼女は「支援する側の事情や考えを現地の人に押し付けるのではなく、現地の人たち自身が解決の主体になれるような支援をしたいと強く思いました」と応えられている。(是非同紙全文を読んで下さい。)

CODEは、阪神・淡路大震災をきっかけに発足したNGOである。2002年にアフガニスタン支援を始めてから、この瀬谷さんの言われる「支援する側の事情や考えを現地の人に押し付けるのではなく、現地の人たち自身が解決の主体になれるような支援をしたいと強く思いました」という支援の論と同じことを考え続けて行動してきた。それは阪神・淡路大震災で、「災害からの復興は市民主体だ」という思想を醸成してきたからだと、いま、あらためて強く思う。

ただ、8月にタリバンが暫定政権と宣言して以来、F・Lさん家族が国外退避を望んだとき以来、CODEはどう対応するのか本当に難しい、悩む。最も望むことは、なんとか治安が安定し、今まで通り、恐怖や不安を感じることのない暮らしを営まれることだと思う。しかし、今、その暮らしが脅かされているのも厳しい現実だ。何があっても人道支援を優先することはいうまでもないが・・・。
(CODE事務局:アフガニスタン 担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—36

昨日22日の朝日新聞に、40年前にアフガニスタンから隣国パキスタン・イスラマバードに難民として避難したアフガニスタン人のことが紹介されていた。同紙によると、難民生活は劣悪だが、その中で「第2世代、第3世代も育っている」と。「パキスタンで登録されているアフガニスタン難民は、世界で最も多い約140万人。実際にはその倍ほどの人たちが滞在しているとみられる」と続く。

CODEがサポートしているF・Lさん家族は、国外退避を望んでいるものの、パスポートを持っているのは12人のうち2人だけ。最近タリバンは、「申請すれば誰でもパスポートを持つことができる」と言っているのだが、何故国外に出るのかなど理由を聞かれることによって、身の危険を感じる人たちも多いだろうと思われる。そもそもパスポートがなければ、「難民」として国外脱出をするわけで、それはリスクが伴うことなので相当な覚悟が必要だ。

私がはじめてアフガニスタンに行った時に、イスラマバードを経てアフガニスタンに入ったのだが、少しの時間この難民キャンプを案内してくれた。日本にいてテレビなどで知る難民キャンプというと、ちょっとした風が吹いても飛んでしまうようなテント生活が印象的で、地震や水害のあとのキャンプも同じようにテント生活のケースが多いイメージがあったのだが、土を練って固めたアドべという建物が基本的な住まいで、電気も水もなく衛生環境など最悪な状態だが、アドべがならんだ結構広い“町”のようだった。キャンプの中には、小さな小屋が立っていて子どもたちはそこで学んでいた。でもおそらくキャンプの中でも学校にもいけない貧しい家庭も多かったように思う。キャンプには、モスクもある。同紙には、モスクの前でコーランを学んでいる子どもの写真も掲載されている。

おそらくタリバンが暫定政権となってから、パキスタン側に国外退避をした人たちの中には、しばらくこの難民キャンプに忍び込む者も少なくないだろう。アフガニスタンさえ出ることができれば、そうした一時しのぎができる場所があるということは、国外退避を望む人たちにとっては、一時の安堵の場でもあるのだろうか?
同紙に紹介されていた40年以上難民として生きてきた70歳くらいの方は、「ふるさとを夢見ない日は一日たりともありません。ずっとこんな生活を続けるなんて、哀れとしか言いようがない」と語っている。
(CODE事務局:アフガニスタン 担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—35

G20における先日来の特別首脳会議首脳会議では、アフガニスタンの直面する様々な課題の中で、人道的危機への対応を優先することで合意がなされたようだ。
しかし、一方で日々不安な情報も入って来る。10月15日付けの朝日新聞では、「タリバンは報道の自由をうたうが、実際には嫌がらせを受けた報道機関の休業や記者の拘束が相次いでいる。タリバンによる支配への抗議や弱い立場にある女性の声は、ますます届きにくくなっている」と。
また、10/15(金) 10:12配信のAPF=時事では、バーミヤン渓谷の洞窟に住む少数民族ハザラ人少女の飢えに苦しみながら、おびえながら暮らしているという惨状が報じられている。
「地域の住民は、国内ではもともと最貧困層だったが、8月にタリバンがアフガニスタンを制圧してからは国際援助が途切れ、食料品が値上がりして失業者も急増し、さらに苦境に追いやられている」とのこと。
その一方で、「パキスタン国際航空がアフガン便を停止、タリバンの「強引さ」理由に」(10/15(金) 9:51配信CNN.co.jp)その理由は「イスラマバード(CNN)パキスタン国際航空(PIA)は14日、同社のアフガニスタンへの航空便を一時停止すると発表した。アフガンの実権を掌握したイスラム主義勢力タリバンから課される条件が実行不可能なためとしている」ということのようだ。
タリバン暫定政権は、こういう対応を繰り返していると、せっかく国際社会との交易のルートがわずかながら回復しつつあったにもかかわらず、また元の木阿弥に戻るのではないかと不安が増大する。そして同記事に「PIAの国の代表がパキスタン大使館の敷地を離れる際には数時間にわたり銃口を向けられたとも言及。アフガンから脱出したい市民を支援する疑いがかけられていたという」ことも。ここ数日間、日本政府はアフガニスタン人の国外退避でかなり頑張っている様子が日々伝わっている。同政府がパキスタン航空を使ってはいないようだが、やがて他の航空会社にも悪影響をもたらさないか・・・・・などと心配の種が尽きない。                         (CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—34

9日10日、アメリカは8月30日のアフガン駐留米軍撤退後、カタールの首都ドーハで初めてタリバン暫定政権幹部と今後の支援について交渉した。
イギリスも「アフガンの人道危機への対応を英国がどのように支援できるかや、アフガンがテロリストの温床となる事態を回避することの重要性、出国希望者に引き続き安全な通行を提供する必要性について協議した。また、少数民族の扱いや女性・女子の権利も取り上げた」(10/6(水) 12:21 ロイター配信)と。

一方、G20緊急首脳会議も開かれ、「イスラム主義組織タリバンがアフガニスタンで実権を握って以降、主要国の首脳級がそろって議論するのは初めてです。会議では、人道支援が緊急かつ必要不可欠なこと、女性や少数民族を含む全てのアフガニスタン人の人権が尊重されるべきであること、アフガニスタンがテロの温床になってはならないこと、などが確認されました」「就任後初の国際会議参加となった岸田総理は、日本としておよそ71億円の新規支援を含む220億円規模の支援を今年中に実施すると表明しました」(10/13(水) 5:53 JNN配信)

10/13(水) 11:01配信 BBC Newsによると同G20会議で「ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、アフガニスタンを『大混乱に陥らせて』はいけないと述べ、ドイツが6億ユーロを拠出すると改めて表明した。メルケル氏は新政権が発足次第、政界を引退するとしている」「欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、アフガニスタンと難民を受け入れている近隣諸国に10億ユーロ(約1300億円)を提供すると約束した。国連は世界各国の指導者に対し、アフガニスタン経済に数十億ドルを投入するよう求めている」と報じている。

タリバン暫定政権はこれらの交渉を受けて、概ね上手く行ったという評価をしている。各々双方の思惑のずれがあると思われるが、アフガニスタンにおける経済的、人道的危機の現実に目を向けると、「何が上手く行ったのか?」疑問を抱かざるを得ない。

他方、学識者はタリバンとの対話の重要性を強調している。今朝13日の朝日新聞オピニオンでも3人の識者が対話について論じている。私もこのレポートで何度か対話の重要性を主張してきた。しかし、正直対話って凄く難しい。多様性を理解するには対話をともよく言われるが・・・・?

10月2日付け毎日新聞の「つながり紡いで」というシリーズで吉田敦彦大阪府立大学教授が“異質な他者との対話”というテーマで、「対話の哲学者」といわれたマルティン・ブーバー(1878~1965、ユダヤ人)のことを紹介している。ドイツに「ブーバーハウス」と呼ばれ、今は「キリスト教徒とユダヤ人の国際評議会」(ICCJ)の拠点があり、近年はイスラム教徒も含めた三者が対話する国際カンファレンスを定期的に開いている」と。
今、タリバン暫定政権と交渉を始めた関係国の代表者は、是非一度このブーバーハウスを訪れて欲しいと切に願う。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—33

タリバン暫定政権以来、アフガニスタンでは女性に対するさまざまな制限や弾圧が行われていることは、残念ながら事実でしょう。一方で一般的には未だ高校通学は認められていないようだが、「アフガニスタン北部クンドゥズ(Kunduz)州にある一部の高校で、女子生徒の就学が再開した」「州都クンドゥズ市にある学校の校長がAFPに語ったところによると、イマムサヒブ(Imam Sahib)地区の高校では女子生徒が授業に復帰。同市の別の教師も、女子生徒が高校通学を再開したと語っている」「タリバンは、女子生徒の安全が確保され、シャリア(イスラム法)の厳格な解釈に基づく完全な男女別学が実現すれば、女子生徒の高校復学が可能だとしている」(10月5日AFP=時事)とも。以前、CODEが実施した女子学校支援のことを伝えたが、やはり現地のNGOスタッフ曰く「とにかく女子を守らなければダメだ!」とかたくなに強調していたことを思いだす。

また、「タリバンはアフガン国民へのパスポート発給を再開した」(2021.10.06 Wed posted at 07:38 JST)という報道も。そして「パスポート発行事務のために、女性職員に職場に戻るようにと呼びかけ」(2021.10.06 Wed posted at 07:38 CNN)医療従事者や保健衛生で働いていた女性にも職場復帰を呼びかけているようだ。他方、一部の勇敢な女性は、前女性課題省の建物の前で、女性の就労と教育を求めてデモをしている人たちもいる。日本のテレビでも部分的ではあるが、その行動が放映されていた。ある番組では、外に出ていることが理由なのか、タリバン兵士がムチで女性を叩きながら追い散らしていた。

CODEが支援していた女性センターで聞いた話だが、アフガニスタンには、10世紀に活躍した詩人Rabia Balkhiという半伝説の女性がいた。その人は女性としての尊厳を守り続けて来た人とも云い伝えられている。カブールには、このRabia Balkhiを冠した病院や高校があった。

残念だが、今、アフガニスタンでは女性としての尊厳を守る行動は命懸けでもあると言っても過言ではないだろう。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

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