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アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—39

前号NO38を配信したのは10月26日だった。その前日国連食糧計画(WFP)は、アフガニスタンは「世界最悪の人道危機の一つに陥っている」とし、11月以降、人口の半分以上にあたる2280万人が飢餓状態になると発表した。特に子どもの死者が多数出ているという報道もある。加えて、先日も北東部マザリシャリフで人権活動をしていたアフガニスタンの女性が殺害された。そして、女性に対しては、外出制限や教育の権利を剥奪するという事態が続いており、報道機関が閉鎖に追い込まれるという事態も。

一方で、中国とロシアが主導し、「制裁ではなく、対話だ」とアフガニスタンの安定を主張している。また中国はパキスタンからの呼びかけに応じるように、インド・ロシアとともに暫定政権タリバンを「包括的な政権」の樹立をアピールしている。
関係国が混迷したアフガニスタンの状況を憂い、こうして心配することは歓迎されるだろうが、しかし、何故か率直にそのアピールを受け止められない。どうも、各々の国の思惑がチラチラ見え隠れし、そのために関与しているだけではないのかと疑いたくなる。
もちろん、飢餓状態にあることは疑いの余地もないし、各国が「人道支援」を目的に資金も拠出することをすでに表明している筈なのに、状況が好転しないのは何故なのか?あまりにも時間が徒過しているような気がしてならない。

清末愛砂さん(室蘭工業大学大学院教授)は、「支援上の問題の一つは、海外からの送金が難しいという点だ」(朝日新聞2021・11・12)と指摘。アフガン政府の海外資金を凍結していることがその要因らしい。当NGOも現地に送金しているが、やはり引き出せない。各国の政府としての支援がスムーズに行われないならば、平行して人道支援を主とする各国のNGOに託し門戸を開ければ、実質の支援が届くのではないか?NGOが、国際社会に存在している意義を積極的に受け入れるべきだろう。
でも、同時にもちろん人道的支援が喫緊の課題で一刻も早く支援が現地に届くようにすることが第一優先だが、同時に支援国が配慮しなければならないのは、アフガニスタンの女性や若者が、この混迷したアフガニスタンの将来に希望を持てているだろうかという懸念だ。もしかするとタリバンが全土を制圧してから3カ月になろうとしているが、人々がこうして自分の国に誇りも、希望も持てないという事態に陥っているとすれば、これは大変なことではないか?

先に紹介した清末愛砂教授は、「日本を含む国際社会が支援をスムーズに行うには、タリバンと交渉しなければならないが、交渉イコール暫定政権を認めることにはならない。制裁をしていたら人道危機の解決にはならない。タリバンには一定の支持者もいる。現地の人の手でアフガンが変わって欲しいと願うのであれば、粘り強く交渉したほうがいい」と。

まもなく阪神・淡路大震災から27年が来ようとしている。その27年前に私たちが被災地KOBEで学んだことは、「復興の主体は被災者自身だ」ということだった。私が初めてアフガニスタンに入り、帰国した2003年に、マスコミの取材を受けた時に、強く主張したのは、「復興は住民主体!」ということだ。
いまこそこの視点を、あらためて根づかせなければならないのではないだろうか・・・・・・。
(CODE事務局:アフガニスタン 担当 村井雅清)

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