四川大地震救援ニュースNo.144/四川大地震10周年レポートNo.7

四川省の省都、成都の北西に位置する桃坪は、1300年続く石積みのチャン族の村です。

チャン族は中国でもっとも古い民族のひとつと言われ、争いを避け、他の民族に追われて、険しい山あいの地に住むようにななったと言われています。この桃坪も急峻な山を背に斜面にへばり付くように集落を形成しています。

また、外敵から守るために集落には、ちょう楼と呼ばれる見張り塔や迷路のような通路、ねけ道など様々な工夫がされています。また、石積みの壁は、下層部は1m以上の厚さがあり、上層部に行くにつれ薄くなっています。また、壁に開けられた窓は、外側が小さく、内側が大きくなっています。

それにはいくつかの理由があるそうです。崩れにくくするため、より多く明かりを採るため、日時計、いろりの煙を逃がすため、暖房、防犯など非常によく考えられています。

2008年の地震では、ここの石積みの家はほとんど倒壊しませんでした。長い歴史の中で培われてきた暮らしの知恵が地震からこの集落を守ってくれました。そのちょう楼の家のご主人は、いつも誇らしげにチャン族の伝統を語ってくれます。そんな姿に日本の学生たちはカッコ良さを感じていました。

そんな桃坪のチャン族の村も、震災後、中国の文化遺産として保存され、本格的に観光化されたことによって村の中から人が消えつつあります。すぐ横に出来た新しいエリアに住民は移り住み、旅館やレストランを営み、元の石積みの集落は観光客向けエリアになってしまいました。人の暮らしがあってこそ、石積みの伝統家屋が活きると思うのですが。。。(吉椿雅道)続く


4月1日13時~16時@こうべまちづくり会館で、今回四川を訪れたメンバーも報告をさせていただきます。ぜひお越しください!
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