トルコ・シリア地震の初動調査に同行・ご協力いただいたネブシェヒル大学日本語学科専任講師の藤本憲志さん(のりさん)からのレポート第4弾です。今回、日本語学科の教え子のオーズハンさん、ウムートさんも通訳ボランティアとしてご協力いただきました。
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「トルコに住む日本人として考える④ CODEの吉椿さん、植田さんのサポーターとして見たトルコ大震災の現場」
避難所生活など
活動初日、ホテルの前から現地で活動されているメフメット氏が車でヌルダ、カフラマンマラシュへと案内してくれた。
ヌルダではトルコの政府の災害対策機関AFAD(Disaster and Emergency Management Authority)の活動拠点などを見学し、午後から二つの避難所となっている学校を訪れ、話を伺う機会に恵まれた。夜には案内のメフメット氏のご家族や義姉の救出を待つ避難所へとたどり着く。ある人はおしゃべりしながら、あるひとは無言で焚火を囲む姿に、阪神淡路大震災での光景がよみがえってきた。
活動3日目の2月14日火曜日、ガジアンテップのバスターミナルで、アディアマンのスタッフがわざわざ車から降りてきて、「日本からきたの?アディアマンでは助けが必要です、お願いします」と言い残して去って行かれた。日本に期待されてるのを肌でヒシヒシと感じていく日々だった。
活動4日目の2月15日水曜日、初日に訪れたカフラマンマラシュの避難所の高校に再び赴き、吉椿さんが妊婦さんたちに兵庫医科大学からのトルコ語で書かれたプリント「避難所生活での注意点_妊婦・産後の女性用」や、まけないぞう、日本の子どもたちからのメッセージなどを手渡した際に、対応いただいた代表の方が子どもたちに「みんなでお返事書きましょうね」と言われながら涙ぐんでおられる姿に、ボランティアとしてあまり感傷的になってはいけないと思いながらも、涙をこらえることはできなかった。
全体の印象として被災されてる方々に吉椿さんが「今、必要な物は何ですか」という問いにも、口を揃えたように「今は水も食料も足りている。必要なものはない」という声が多かったのはトルコの人の気質からくるものだろうか。ただ、やはり子どもたちの服などが不足している様子を語る様子も印象的であった。中には「今は大丈夫だが、ボランティアが帰ったあとが不安だ」と漏らしてくれる被災者もいた。たしかに、今は救助や救援のボランティアが多数駆けつけており、物資の経路の整備や物資の配分などもとても機能的に動いている印象であった。しかしながら彼らが去ったあとの支援が課題である。
トルコの人は元々人助けを厭わない国民性であることを肌感覚で感じていたものの、これだけ甚大な被害に遭いながらも、民族を超えて助け合って明るく悲壮感をあまり表に出していないことがいろんな意味で印象的であった。
今後どのように支援するかは十分精査する必要があると感じた。災害時、現地のニーズは避難所毎、個人毎、また時間や季節の移り変わりによっても刻々と変化していく。どこまで細かくニーズを拾い上げ、どこまで対応していくかが、言葉の通じない現地での今後の大きな課題であると強く感じた。
(続く)
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