スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.45

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【写真】安全な場所:緑色で○マーク、危険な場所:赤色で×マーク
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【写真】村歩きの時に写真を撮りました
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【写真】元気一杯に、は~い!

(クキさんレポート38 ~防災マップ作成② タララ村後編~)
 次に「防災マップ」の検証である。1.村の「安全な場所」「危険な場所」は何処か?2.避難所(お寺)の場所は何処か?3.避難する時の注意点は何か?(お・は・し・も)、4.災害時に優先される人たち(高齢者、障害者、外国人、幼児など)の避難の仕方は?又は彼らにどのような手助けが可能か?5.家や建物の構造として、津波で流されてしまった理由は何か?その対策方法は何か?6.備えとして、普段から何が備えとして必要か?
 これらの全ての回答を子どもたちからは得られなかったが、津波で建物が流されてしまった理由と対策に関しては各グループから回答を得た。全てのグループに共通しているのが、建物が強くないから、海の近くに建っていたから、水の威力が強すぎたからの3点である。またその解決策として、高台に家を建てる、平坦な強い家を作る、強い壁を作る、木を植えるなどがあった。
 安全な場所と危険な場所について一つ興味深い点がある。海や木を危険な場所としたグループと安全な場所としたグループがいたことだ。危険な理由として海は津波が来るかもしれないから、木は倒れてくるかもしれないからとした。安全な理由として海は近くに石の壁があるから、木は津波がきたら登れるからとした。このように同じ場所でも捉え方により、安全な場所、危険な場所が全く逆になる。
 各グループの代表者により質問の回答が発表されたのだが、あるグループの代表者(ボランティアリーダー)の男の子が発表する段階になって、頑なに彼は断った。国内UNVも他の子どもたちも何故なの?恥ずかしいの?と何回も聞いたのだが、彼は結局、前で発表することなく、他の年少さんが彼に代わって発表することになった。実は後になって、この男の子は読み書きが出来ないということが分った。スリランカでは識字率は非常に高い。この数値とこの現実のギャップが私の心を痛めた。数値は時に一人歩きし、実態を伴わないこともあるのではないだろうか。
 「防災マップ」検証のプログラムが終わると直ぐに子どもたちは、お寺の外の広場へと走っていった。「やっと終わった~!」と言わんばかりの早さだ。子どもは本当に正直である。しかしこの無邪気さが時には残酷にもなる。ある女の子が泣きながら国内UNVの所にやってきた。年少さんが彼女に「お前は毎日同じ服を着ている!」と言ったらしいのだ。私たちは彼女を宥めながら、タララ村のプログラムは終了した。子どもは時に残酷だ。
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