スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.21

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【写真】手作り黒板で「お・は・し・も」の説明をする
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【写真】イシャンカのオルガンでみんながリズムをつかむ
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【写真】イシャンカの妹も一緒に歌う

タタラ村での「お・は・し・も」伝授の様子の2回目です。
(クキさんレポート15)
 国内UNボランティアにより、「お・は・し・も」の歌の意味や日本語の意味などが説明された。例の手作り黒板が大活躍をしてくれた。「O HA SHI MO」と書かれたその黒板は、今までに何度も使われてきたのであろう。黒板にはうっすらと、前に書かれた文字が残っていた。市販の黒板ならば、きっと完全に消えてしまっていた文字であるが、この文字が「これが本物の黒板だよ」と自己主張していたように思う。
 いよいよ、タララ村のボランティアの出番である。皆が横一列に子どもの前に並ぶ。一斉に「お・は・し・も」の歌を歌いだした。ところが、その歌が??「お・は・し・も」の歌ではあるのだが、どうも音程が違う。つまり、はっきり言えば皆が、音痴なのである。ヒロの顔をチラッと盗み見すると、彼も苦笑いしている。聞いている子どもたちの顔を見ていると、??となっている子どもや、歌詞を目で追っている子どもやよそ見している子どもや、見ているだけで退屈しないのだが、このままで、ちゃんと歌の伝授ができるのだろうかと心配していた。
すると、そこに何と、歌姫イシャンカが登場したのである。今回の歌の伝授には来られないと聞いていたのだが、彼女は直ぐに子どもたちの前にでて、オルガンを弾きだした。タララ村のボランティアらもびっくりしていたが、中にはホットした表情をしているボランティアリーダーもいた。タララ村のボランティアリーダーは、15歳を中心とした子どもたちだけである。感じたままを表現する子どもたちである。初めての経験で緊張したのかもしれないが、一端イシャンカがオルガンを弾きながら「お・は・し・も」の歌を歌いだすと、音痴だろうが何だろうが、大きな声で歌いだした。ジェスチャーも飛びっきり大きく、ジャンプしながら手を挙げているボランティアリーダーの男の子もいた。彼らを見て愛おしい気もちで一杯になった。イシャンカが「ちょっと心配になって来てみたのっ」と、後から私の耳元で囁いた。
 「イシャンカのABCオルガン練習」も同時に伝授された。タララ村のボランティアリーダーの女の子は、イシャンカの側に座り、彼女が押す鍵盤を食い入るように見つめていた。歌が一回一回終わるたびに、ボランティアリーダーはイシャンカに何回も質問をしていた。そのたびにイシャンカも丁寧に教えていた。その姿を、イシャンカの母親が遠くから見守っていた。今回もイシャンカの妹が参加してくれていた。彼女は子どもたちの中に入り、周りの子どもたちに、歌を教えていた。誰も、イシャンカの妹に子どもの側に行ってくださいとは頼んでいない。彼女が自ら考えての行動である。
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