~【現状報告】女性グループ~ 第6次現地レポートvol.3

8月8日 スリランカ
 南部2日目は、漁業関係の人たち中心にミーティングを行うことになっている。今日はすべてのコーディネートをサラナプラさん(漁師と漁業労働者の協同組合:以下UFFC)が行ってくれる。まず始めに、ニルウェッラ女性自立グループの人たちと会った。彼女たちのグループはすべて漁師の連れ合いの方や娘などで構成されている。漁師の仕事だけに頼らず、女性が少しでも家計を支えられるようにと津波以前からあった仕組みだそうだが、津波以後、需要は高くなっている。このグループには25人の女性が所属している。
津波後、UFFCから5000スリランカルピー(約5000円)が利子なしでそれぞれに貸し付けられた。それを元にハンディクラフトなどを制作し、販売を行っている。こういった取り組みは、UFFCが津波被災地4ヶ所において行っている。漁業協同組合において既に活動がされていたり、予定がされていたりするが、制作内容は様々で、ハンディクラフトや、ココナッツの繊維からロープを作るもの、また乾燥魚を作るものなどがある。彼女たちと話し感じた問題はマーケット(市場)で、ハンディクラフトは技術の問題もあり、収入になるには難しく、同時に彼女たちのグループと市場の間に中間業者が入っており、それによって利益も少なくなるという問題もあった。現在UFFCなどがどのように市場を確保し、また中間搾取を取り除くかが検討されている。
またロープ作りは多くのNGOがその機械を配給したので、今ではどこの家にもあり、趣味程度のものにしかなっていない。実際にグループからもこの機械はもう十分みんな持っているから配らないでといわれたほどであった。注目されているのは乾燥魚を作り売っているグループがあることだ。ここのグループは、他のグループと違い、5000ルピーに2%の利子をつけて貸し出されている。この乾燥魚産業はいい収益になるらしく、小さな魚から、かつおの乾燥されたものまであるようだ。7月に初めて貸し付けを行い、1ヶ月後にはすべての女性がこの貸し付けを返し、2%を支払ったということだった。収入にはつながっている。
こうして、3ヶ所の漁民妻たちによる女性自立グループと出会ったが、皆パワフルで圧倒されてしまった。私の話を本当に真剣に聞き入り、うなずきながら聞いてくれた。私は女性グループと話す時よく「男性より女性のほうが強いのは万国共通よね」と言う。どこの女性も笑顔でそうだそうだとうなずいてくれる。彼女たちの目は力強く、本当に信頼ができるとサラナプラさんに話した。

事務局スタッフ 斉藤容子