~【現状報告】スリランカ復興の課題~ 第6次現地レポートvol.1

 CODEスタッフの斉藤容子は8月1日から4日までインドで開催されるAsia Disaster Reduction & Response Network(アジア防災・災害救援ネットワーク)Reginal Workshopに参加し、8月5日に無事スリランカに入りました。現地からのレポートが届きましたので、報告いたします。
8月7日 スリランカ
 朝7時にコロンボからスリランカ南部の被災地へ出発し、9時にシンガポールの団体が建てているという恒久住宅村を見に行った。それは山の頂上のようなところにあり、35世帯の家が建設中であった。建築業者が私たちの保育園・幼稚園建設のカウンターパート、ティラクさんと知り合いということで訪ねることとなったが、現場についてすぐに問題が山積していることは想像できた。
まず周囲を山に囲まれたところに新たな町を作ろうとしている状況にあるにもかかわらず、ここに住むことになる人たちの考えは全く考慮されていない。立地条件で多くの人が移ることに不満を持っているということだった。そして、住民との話し合いも特にされていないような状況で工事は進められていた。現場監督はこの家は全てコンクリートで造られ、最新技術をもって行っていると説明をしてくれたが、では屋根には何がくるのですかと質問をすると、すべての家庭の屋根にアスベストシートが使われる予定であること。その危険性を知っているのですかと尋ねると、彼ははっきりと「Yes、癌だろ」と聞かれてはまずいポイントを指摘されたように少し笑いながら答えた。
まだ知らないから、知識があれば直せるというのであれば許せるものの、現場監督はその危険性を承知していた。にも関わらず建築費などの関係だからという理由で注目をしようとはしていない。彼の目的は家という箱を建てることだった。もし彼がここに住む住民であれば、誰がそんな危険とわかっているところに住むだろう。そんなことを許すだろうかと腹が立ったので、「その危険性をわかっていて、黙っていて住民が被害にあったら、あなたの責任ではないですか。あなたが少しでも建築家として誇りを持っているのなら、これを建てている団体に専門家としてその危険性の話しをしてください。」と強く言った。話しはしてみると言ってくれたが・・・。新たな町移住の際の住民によるまちづくりの重要性を改めて痛感した。

事務局スタッフ 斉藤容子

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