「フィリピン台風救援活動報告会が開催されました!」
先週土曜日の3月29日にフィリピンの台風災害への救援活動報告会に33名(スタッフ含む)の方々にお越しいただきました。CODEの報告に先立ち、神戸大学・ぺぱっぷのフィリピンでのフェアトレード活動や台風後の支援活動を報告していただきました。今後、ココナッツオイルを使って被災農家の支援を継続していくそうです。
その後、CODEより4か月を経た被災地の現状や課題とCODEの漁業支援プロジェクトの詳細に加え、フィリピンの女性パワーやフィリピンのNGO事情なども報告させていただきました。
CODEの支援するセブ島、バンタヤン島での被災地では、台風で被害を受けた住宅の多くは修理されていますが、未だ壊れたままの住宅も少なくありません。そして台風でボートを失った漁民たちは未だ漁に出る事が出来ません。また、台風で果樹や作物が被害を受けた農民たちも仕事を失った状態が続いています。仕事をできないストレスが女性や子供への暴力につながる懸念もあります。
このプロジェクトでCODEの提供するボートを活用して漁を再開する事が、漁民の収入や生きがいの回復につながります。また、ボートを住民が皆で共有する事で地域での支え合いであるバヤニハン(伝統的な相互扶助の精神)を促進していきます。
このプロジェクトを現地で担ってくれるのが、セブ島の11のNGOのネットワーク、ABAG Central Visayasです。その中のSPFTC(フェアトレードによる農漁村の開発)やFIDEC(漁業コミュニティー支援)などのNGOをカウンターパートとして、地域の住民組織であるAssociation(協会)とボートの共有などを協議して決めていきます。
また、NGO活動の盛んなフィリピンの背景にも触れ、国民の41%が貧困層というフィリピンでは貧困層などの社会的弱者はマイノリティー(少数派)ではなく、政府が脆弱である事、キリスト教が市民運動を支えている事などの社会的背景から、市民の一人ひとりが自分の問題としてNGOなどの社会活動に参加しています。しかも多くの女性たちが新しい生き方を模索して参加しています。
会の最後にフィリピンの支援活動について、室崎益輝CODE副代表理事より総括として以下の4つのポイントが語られました。①「与える支援でなく、引き出す支援」がその地域社会を変える力になっていく。②フィリピンと東北の漁民とが交流する事で漁業、女性などの世界共通の課題に一緒に取り組んでいく。③活発なフィリピンのNGOの文化、風土との学び合い。④阪神淡路大震災から20年を迎えるにあたって国際支援の自力を問い直し、国内でのネットワークを作っていく。
フィリピンの被災地の復興は、まだ始まったばかりで継続的な支援がまだまだ必要です。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。
CODE事務局長 吉椿雅道