ジャワ中部地震から6か月 (No 11)

人間様より、牛や山羊が大切なのかなぁ?

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 同じこの集落で、山羊小屋を半分借りて住んでいる老夫婦に出会った。この世帯は老夫婦と息子さん達4世帯と暮らしているのだが、政府の補助が決定し、今新築を建設中だ。おばあちゃんは「新築が完成しても、この山羊小屋は涼しいから、当分ここに住むよ」と笑っていた。「地震でも壊れなかった」とおじいちゃんも笑っていた。よく見ると山羊小屋といえども結構太い木材を使っており、屋根はサトウキビと、超軽量素材なので「なるほど!」と納得。そういえば、何処の村を見ていても、牛小屋や山羊小屋が壊れたという話は聞かない。この地域に住む人たちにとっては、牛・山羊・鶏なども貴重な家族の一員であり、財産でもある。例えば牛1頭を育てるのに相当な苦労もされてきているだろう。その貴重な”家族”を地震がごときで、手放したり、殺したり、傷つけたりできないのだ。
 ふと、「あの地震の時、牛はどうなっていたんだろう?泣きわめいて、暴れ廻ったのだろうか?」と気になった。もし地震で暴れて牛小屋が壊れるようなことがあれば、大変なことになることは容易に想像がつく。そういう意味からもこうした家畜小屋は頑丈に造られているのだと納得する。「曲がり家」というように、昔は日本でも馬小屋や牛小屋の上に人が住んでいたり、隣に住んでいたりしていたようだ。ほんとに「暮らし」というのは、人間だけで考えてはいけないんだと教えられる。昔の農耕の姿を思い出すと、牛や馬、あるいは豚や鶏などそれぞれに役割があった。そういえば最近よく江戸時代に暮らし向きが話題になるが、そういう昔に戻ろうということではなく、少しは立ち止まって今のライフスタイルと向き合う必要はあるかなぁ?