ジャワ中部地震から6か月 (No 10)

「暮らし再建」ってこういうことだ!(昨日のレポートの続き)

〓〓〓??2.jpg

この家族は両親と長男、娘夫婦と娘さんが同居する予定。政府の援助が決まり、父親を中心に長男・娘夫婦・娘と家族総出で新しい鉄筋使用のレンガ造りの家を建てている。幸いこの家族には直接の犠牲者はいなかった。お母さんは一人で台所を守っている。この家族の敷地は、震災で全壊となったことをきっかけに、震災前の隣屋と土地の移動を合意した。詳しくはこうだ。もともと建っていた敷地は隣屋に譲り、もとの敷地のとなりにテントの台所と、さらにその隣に竹を素材にした「仮の家」を建て、さらにその隣に「T」の字につながるように、新築を建設中だ。おそらく全体が見えるような高いところから見ると、壊れた更地→テントの台所→仮のバンブーハウス→鉄筋使用のレンガ住宅と、絵に描いたような「成長する家」のモデルだということが一目瞭然となる。
でも、ここのお父さんは別に「成長する家」という意識はない。非常にシャイなこのお父さんは、今は現役を引退しているが、元大工さん。道理で手際よく作業が進んでいると思ったのだが、実はこの新築が完成してもお父さんは「死ぬまでバンブーハウスで暮らす。」と言い切る。新築は4部屋しかないため、子どもたちに遠慮しているようにも見受けるのだが、実は地震で壊れたときから、お父さんの頭の中では、毎日、家の再建プランを書いては消し、書いては消しの繰り返しであったようだ。こうして新築を巡って家族のそれぞれが思惑?を持ち計画を練っているようだ。災難にあったものの、自分の新しい暮らしが再建できると思うと、シャイなお父さんが時折笑う表情がなんとも微笑ましい。震災以来、テント仕立ての台所で寝ていたお母さんもバンブーハウスに移るのだろうか?
ところで、どこの被災地をまわっていても共通する光景を目にする。それは、牛小屋や山羊小屋が壊れていないということだ。「なんでやろ?」