ジャワ中部地震第二次調査団レポート No.12

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「はじめの一歩」No.11
 7月17日に西ジャワ州パンダガラン地域を中心に襲った「地震津波」の被災地でも、「POSKO」と書かれた看板や、横断幕や、つい立てを目にします。日本語で訳すと「詰め所」というくらいの意味だと説明を受けるのですが、実にこれがすばらしい役割をしているのです。もちろん中部ジャワ地震の被災地ジョグジャカルタ特別州でもよく見かけます。
 
 POSKOは何もない平時にはなくて、災害が発生すると立ち上がるようです。災害直後の救急医療から、水や食料の配布、あるいは暮らしの相談、防犯機能などなど多様な機能を果たしています。行政の対策本部には○○POSKO」、警察には「ポリス・POSKO」、医療関係には、赤十字のマークと「POSKO」と表示しています。被災者の避難所にも「POSKO」と表示しています。さらには、RT単位やKKN単位でもPOSKOと掲げてある場合があります。つまり災害に遭遇しても、被災当事者や近くの住民やそれこそ通りがかったボランティアたちが「ここは救援のための、ボランティア活動のための詰め所ですよ!」と掲げていることになります。
 パンダガラン海岸沿いの道路に、何やら書いた看板が立てられていました。「あなたの、どのような支援でも、歓迎します。」というような意味だそうです。至る所にPOSKOがあって、このような看板に従って支援が来れば、直後については何も心配は要らないように思いますが、やはり援助の格差ができるのでしょうか?
考えてみれば、日本でもすぐさま被災地に多様な「POSKO」ができ、動ける者が率先して救援活動を始ることができれば、これまでとは違った災害ボランティア文化を生み出すのではないでしょうか。
 
 折しも、日本政府は「減災のための総国民運動」を呼びかけていますが、各地域におけるコミュニティの再建については、地域の人たちが最もよく知っている訳だから、さまざまなことを地域に任せて行けば機能的にコトが進むのではないかと思うのです。災害後の復興は、地方分権でやる方が現実的だという議論がありましたが、このしくみはさらに「地域分権」をボランタリー型と言えないでしょうか?