ジャワ島中部地震ニュース第38報

つぶやきレポート「インドネシア被災地の今」 Scene.20
ジャワ島中部地震の被災地では震源地の海岸から北東に活断層が通っている。その断層上が大きな被害を受けた。ジョクジャカルタ特別州(DIY)のバントゥル県、そしてもうひとつ中部ジャワ州のクラテン県で甚大な被害があった。

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【写真】バトゥラン第1小学校の子供たち
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【写真】バトゥラン第1小学校の惨状
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【写真】再開した授業風景

クラテン県では、地震直後、救援物資の遅れが目立った。DIYのジョクジャカルタに集まってくる物資はたった十数㎞の州の違うクラテン県に届くのには時間がかかった。
DIYと接する断層沿の県の南部は、道路沿いの集落を除けば広大な田園地帯だ。クラテンのお米は、ジャワの中でも美味しい事で有名だという。そんな田園風景の中にあるガンティワルノ郡のバトゥラン第1小学校(生徒数119名)ではその日、子供達の歌声が響き渡っていた。
全壊してほとんど跡形もないガレキの山の中に散乱した教科書が、ここがかつて学校だった事を気づかせる。ほんの3日前にテントで授業が再開したばかりで子供たちはとても元気に音楽の授業を受けていた。校長先生であるカルティアニさんが言うには、政府やNGOなどからテントと教科書が配られ、ようやく再開出来たと。幸いこの学校の生徒の中に死者は出なかった。だが、未だ学校に来られない子供もいる。津波のパニックで8km先まで逃げたという子供もいたそうだ。
突然の外国人の訪問に皆、元気に唄って歓迎してくれた。が、校長先生が、「皆、元気そうに見えるけど低学年の子たちは外からは分かりにくいのよね。。。」、「ほら、あの子見て。ずっとああやってボーッとしているのよ。トラウマね。」と教えてくれた。教育局から配られた制服は、わずか40%のみで中には制服を着ていない子もいた。靴をなくした子はサンダルで来ているとも。。
学校再建を政府がやるという話しはあるが、まず国立の学校が優先される事になる。イスラム系の学校はイスラムの財団が再建するだろう。問題は、私立の学校である。世界一人口密度の高い島であるジャワ島では、子供が多い。被災者の4割は子供だといわれる。被害を受けた1000校ちかくの学校をどこまで再建できるか。。政府がやらない、やれない事をNGOがやるべきだろう。集落の中にある学校の子供たちが元気になれば親が変わり。地域が変わる。そんな相乗効果を期待したい。。。
【関連の動き】
(ジャワ島地震支援チャリティコンサート)
日時:平成18年7月30日(日) 14時30分~16時30分
場所:レストラン「ファサン」大阪市中央区谷町4丁目 電話06-6966-7621
料金:3,000円 (1ドリンク付、収益は全額義援金として寄付)
主催:NPO-KMWs
問合わせ・申込み:電話/FAX 072-427-7190 (NPO-KMWs 代表 沖野真)
イベント:
 第一部 ジャワ島をもっと知ろう
 ・インドネシア民族楽器 アンクロン演奏
 ・二胡アンサンブル演奏 茉莉花
 第二部 インドネシア舞踊(ジャワ舞踊・バリ舞踊)
司会:FM COCOLOのDJシャオチェンさん(毎週月曜日午前6時半~7時放送担当)