引き続き、チリに入って活動をされているHuMA(災害人道医療支援会)のスタッフからの現地報告(3月14日)をご紹介します。
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(3月14日)
タルカを8時に出発し、コンセプシオンに向かいました。道中の高速道路は一部改修工事のため、上り線を封鎖して下り線と対面通行にするなどの対応がされていますが、概ねスムーズに走れました。約200kmの道のりを3時間程度で走行することができ、T先生が調査していた時期よりも格段に交通事情が改善しています。ドライバーは震災直後に日本の新聞記者をのせてコンセプシオンに入っており、当時の状況を知っていますが、かなり瓦礫などが撤去され、道は整備されたと言っています。道路の状態で政府機能を言うには適切ではないかもしれませんが、少なくとも海外からの支援を受けないと道路が整備できないような状態ではないことは確かです。
11時過ぎにコンセプシオンに到着し、ホテルにチェックインした後、さっそく市内の視察を行いました。建物の被害は全体の割合からいうと3割程度ではないでしょうか。クラックすら入っていないきれいな建物もあります。しかし損傷が激しい建物もあります。基本的には鉄筋が入っていないレンガ造りのものばかりが崩れておりました。しかし先月完成したばかりのマンションが一つ倒壊しておりました。
ホテルに戻った後、ICAチリで研修を受けたteleton(小児リハビリセンター)コンセプシオンのスタッフと面会しました。一応、teletonの状況を聞きましたが、この施設は機能しており、外部からの支援を必要としておりません。本人もそのようにいっておりました。実は、彼が持つ通行証がタルカワノなどへ行くときに必要になるのでHuMAと合流しました。昼食後、津波被害が大きかったタルカワノ(Talcahuano)に行きました。ここはコンセプシオンと同じ海岸線の北西に位置する半島にあり、湾(内海)に面している街です。大型の貨物船などが入ることができる港町です。津波で大量のコンテナが流されビルが壊れる被害が出ていましたが、今は撤去されておりコンテナはありませんでした。タルカワノに来て感じたのは、津波の被害を見に来る人たちが多いことです。みんなカメラやビデオカメラを持っており、観光しているようにも見えましたが、インタビューをしてみると、ほとんどは、コンセプシオン在住の人で、タルカワノの被害がひどいと聞いたので見に来たと言っており、それを確かめるために訪れておりました。
その後カレタトゥンベス(caleta tumbes)という、タルカワノよりもさらに北にある漁港に行きました。イワシなどの漁をしていました。海岸線沿いに家が立ち並び、津波の被害を受けていました。ここではレンガ造りの家は跡形もありませんでした。しかし木造の家はガラスすら割れていない家もあり、それがレンガ造りの家と隣接している興味深い状況でした。インタビューでは津波は地面からの高さ70センチぐらい(海面から数メートル)だったとの証言がありましたが、建物の2階部分まで激しく変形している木造住宅もあり、数十メートルの離れただけで住宅被害に大きな差があるようでした。レンガ造りの家に住んでいた人に聞くと、家は地震には何とか持ちこたえたけど、津波で完全に破壊されたと言っていました。また、現在は親類の家に住んでいるが、漁に出ても魚を揚げる所(市場?)が潰れてしまっているため困っており、どうすればいいのか途方に暮れていると言っていました。 食糧と水は配給で、トイレは穴を掘ってしていますが、同様に薬剤で処理をしていました。暖房は無く夜はとても寒いですが、風邪をひくなど、体調の悪い人はおらず、定期的に巡回診療が入っておりました。HuMAの活動としてテント村を巡回診療することを考えましたが、あえて日本から行かなくても既存の資源で賄っておりました。
月別アーカイブ: 2010年3月
チリ地震救援レポート11
引き続き、チリに入って活動をされているHuMA(災害人道医療支援会)のスタッフからの現地報告(3月13日後半)をご紹介します。
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( 3月13日・後半)
昼食後、タルカに駐留している軍のfield hospitalを視察しました。これはアポなしでしたが快く対応してくださいました。200m離れた公立病院の機能低下を補完する役割を担っており震災後5日目(3月3日)から稼働していました。ベッド数は24床、軍の医師は3名で(外科2整形外科1)公立病院から5名ほどの医師が加わって診療しています。主に外傷外科をしているとのことでしたが、公立病院の医師が加わったことで循環器疾患にも対応できるようになりました。看護師は常時2名が勤務しています。また看護助手は20名程度が勤務して言います。震災直後から1週間ぐらいまでは大変忙しく、複雑骨折や胸腹部の手術をこれまでに33件したそうです。現在は外科の27名の患者がおりますが、人工呼吸器を装着しなくてはいけないような重症患者がおらず、みな病棟テントで管理されておりました。外来患者もいますが、重傷者はおらず、精神的な部分での専門家による介入が必要な人が多いと言っていました。(テント内は見ていないので、不明な点はあります)
チリ地震救援レポート10
引き続き、チリに入って活動をされているHuMA(災害人道医療支援会)のスタッフからの現地報告(3月13日前半)をご紹介します。
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( 3月13日)
8時にSantiagoを出発し11時30分にTalca(タルカ)に到着しました。途中、橋が崩落しており、側道に回されるなど、高速道路はまだ復旧作業が続いています。T先生からの情報と比較すると、現在は、救援に向かう車はまばらで交通量そのものは震災直後と比べると減っているのかもしれません。また道路の復旧も進んでおり、スムーズに走ることができています。
ホテルに着いたのち、ICAチリの関連施設で17グループの会長の案内でタルカにある施設などを視察しました。最初に視察した のが、日本で言う特別養護老人ホームのようなところで、これをホスピスと呼んでいました。レンガを積み上げた古い建物で天井や壁が 崩落 しているところがたくさんありました。先日の大きな余震の際に、会長が寝泊まりしていた部屋の天井が崩れましたが、幸いけが人は出ませんでした。暗い部屋に天井から光が差しているのが印象的でした。ここの利用者は120名で、先日まで敷地内の簡易の天幕の中で生活しておりました。現在は市の体育館に避難していました。次にこの体育館を視察しました。認知症の方が多く寝たきり、車いす、歩行器など様々な活動レベルの方がおられました。6名の看護師が8時間交代で常時1名勤務しており、パラメディカルとよばれる看護助手が10名弱働いています。またボランティアの医学生もいるそうです。ジェネラリストの医師が週に1回、臨床心理士が月に1回来て、利用者のフォローをしていました。
現在の体育館は天井が高く、夜や明け方はとても寒いとのことでした。現在、流行性の感染症は認めませんが、今後、風邪などの流行が懸念されます。またハトが入ってくるため、その糞による汚染が懸念されておりました。同体育在のライフラインの状況は、電気・水、携帯電話はOKでした。ガスは平時からガスボンベを使用しており、ボンベの供給に問題はありませんでした。一般の電話はありますが、携帯電話の方がよくつながるので、使用していないとのことです。一応、下水道は機能していますが、トイレは一部壊れており、簡易トイレを使用していました。簡易トイレの汚物は消毒薬(ケミカルエリミネイションと言っていました。)を入れた後に、地中に埋めて処理をするので、汲み取りは行われておりませんでした。実際のところ、便器から物が溢れそうになっておりました…。これらの簡易トイレは知り合いの施設の方から借りており、自治体からの供給ではありませんでした。また、大型水槽がありましたが、これも購入したもので、供給ではありませんでした。食糧はSEREMIと一般企業からの供給を受けており、これに関しては充足しているようです。
その後、倒壊した家屋に住んでいた人たちが避難している仮設テントを視察しました。屋根付きバスケットコートの中に近隣住民が身を寄せ合って生活していました。偶然にもタルカの市立病院に勤める家庭医が男性看護師とともに当直明けでボランティア巡回診療を行っており、話を聞くことができました。彼はタルカ市17万人の健康を担当する責任者で、現在の診療の中で多いのは、埃が要因となっていると考えられる気管支炎や喘息だと言っていました。成人の間では、流行性の下痢は認めていませんが、小児の下痢は多いそうです。ガーゼや包帯などの医療資器材や寒さをしのぐシェルターが必要だと言っておりました。
チリ地震救援レポート9
引き続き、チリに入って活動をされているHuMA(災害人道医療支援会)のスタッフからの現地報告(3月12日~15日)を少し編集し、数回に分けてご紹介します。
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( 3月12日)
会議終了後、Teleton とよばれる組織が運営する小児のリハビリテーション病院をICAチリ、ICA日本とともに訪問しました。Teletonは日本でいう、日本財団のような財団でフジテレビの「24時間テレビ 愛は地球を救う」のチリ版を行いその番組で募った募金を基金にして運営している福祉団体です。ICAチリの活動費の一部はこのTeletonからの支援であるため、今回のチリ地震対応に対する支援を改めてお願いするために訪問しました。これは情報収集というよりも、ICAチリがICA日本・HuMAと連携をとって支援活動を展開することでICAチリの活動に対するteletonの印象を良くするものだと考えております。
その後、SEREMI (Servicio Regional Ministerio)州政府行政省のサンチャゴ州行政・保健省を訪問しました。今回の災害に対する政府の動き(組織の役割と組織間の関係)を知ることができました。被災地の健康被害に関する情報を直接持ってはおりませんが、同じ省のつながりで、コンセプシオンの担当者など数名の関係者を紹介してくれました。13日からの調査活動の中で、また紹介された方を訪問し情報収集を行います。
チリ地震救援レポート8
チリに入って活動をされているHuMA(災害人道医療支援会)のスタッフからのレポートが転送されて来ましたのでご紹介します。
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本日、サンティエゴで調査活動を開始しました。
先発のスタッフ2名が入国した際は、空港の建物が使えず、駐車場に展開された大型テントで入国審査等を行っていましたが、私たちは通常の施設で入国しました。空港の天井は部分的に破壊され、落ちておりました。現在、施設の機能は50%まで回復、国内線・国際線の離発着は90%まで回復しました。Concepcionまでの国内便も飛んでおります。
現在は外出禁止令の時間帯が21時‐6時までに緩和されております。インフラは固定電話が一部不通、携帯電はつながりにくいエリアがある、ガスは一部不通、電気は回復、水道は回復しているが道路から水が溢れているため、おそらく水は出るけど水圧は低いのではないかとのコメントでした。物流も回復しつつあり、商店に商品が入り始めている。小さな街は比較的、支援が後回しになっている傾向があり、NGOや有志が集まって食糧を運んでいるとのことでした。
医療にかかわる被災地の情報はあまりありませんでした。 スペインの医療チームが現地に展開したそうですが、先日帰国したとの情報も入りました。医療を実施するうえでのライセンスに関して、おそらくスペインはうまくできていたと思いますが、もしHuMAが今後、医療支援を展開する時には、非災害時での対応になる可能性があり、確認が必要です。ただ、チリ政府のスタッフは全国併せて100名程度で構成されており、圧倒的なマンパワー不足状態ということで、外国チームの問い合わせに対応している暇がないとの話でした。また、本日、大統領が男性の方に変わりました。おそらく各省庁のトップの改編も行われるため、行政の動きにも変化がおこり、さまざまな手続きにも遅れが出ることが予測されています。
滞在中に比較的大きな余震がありました。M6.0-6.9のものが3回ありました。ビルからの避難指示が出ましたので、聞き取り作業も後半、公園で立ち話でした。この余震で津波警報が出て、海岸近くの町では、大規模な避難が行われました。TVやサンティエゴでも見かけましたが、地震の揺れに泣き出す方が数名おられ、心的なトラウマがあると感じました。しかし多くの方は冷静な行動が取れておりました。余談ですが、この余震で避難してきた近隣のビルに努めている人たちの喫煙率が非常に高かったです。印象ですが、避難してきた人の3から4割ぐらいが喫煙者だと思います。
3月11日の余震は20回ありM5-6です
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*CODEのHPからワールドボイスも見て下さいネ!
チリ地震救援レポート7
チリ地震で、島民のいのちを救った12歳の少女の話をご存じでしょうか?詳しくはwebニュースを見て下さい。(http://rocketnews24.com/?p=26517#more-26517)
概略はこうです。津波に襲われたロビンソン・クルーソー島にすむ12歳のマルチナ・マトゥラナちゃんが、チリ地震が発生したとき海岸を散歩していました。津波が島に向かってくるのを見て、すぐ家にいる父に伝えました。お父さんは、昔のチリ大地震の惨状を知っているお爺さんにそのことを伝えたところ、「あの時は、チリが廃墟のようになった」とお爺さんが話したのを、少女が聞いていました。少女は近くの公園に設置されている鐘を打ちならし続け、大多数の島民を津波から救ったという話です。
実は偶然、今朝、ハイチに帰国しているハイチ人のおつれあいさんと防災教育のことについて「小さいときに防災教育をしていると、その子が大きくなったらきっと防災や減災に役立ちます。」と話していたところだったので、この少女の話には驚きました。
そう言えば2004年のインド洋地震津波災害の時も、インドネシアの西スマトラ州シムル島で津波を知らせる歌があり、ある村の村長夫人がその歌を唱って村人に知らせ島民を救ったという話があります。あらためて”伝える”ということが大切だと痛感させられた次第です。
ところでチリ地震の話題で「消防士が全員ボランティア」というのがありました。チリではプロの消防士はいないとのことです。この話しもびっくり!です。その一人は「お金にならないが、町がわれわれを求めている。火を消し、けが人を運ぶ。この仕事が好きなんだ。」と話していたそうです。(2010/3/7 神戸新聞より)
こうして災害救援ボランティアが専門性を高め、専門家以上の仕事をするということが当たり前のようになれば、災害救援の概念はガラッと変わるだろう。最初に紹介した少女は専門家とはいえないかも知れないが、しかし専門家に匹敵するくらいの仕事をしたのではないかと言えます。阪神・淡路大震災のときも、多くの消防団員が活躍された生々しい記録が残っています。その一人の話で印象に残っている話があります。「(団員には)退路を確保しながら前進せよと指示する」とあるのです。仕事柄、ともすれば二次災害に巻き込まれる危険性が大です。リーダーとしての取るべき姿勢が問われます。いつもいのちがけの仕事をしているだけに緊張感が走ります。
それにしても、大規模災害が相次ぎます。あらためて自然の脅威を感じざるを得ません。
チリ地震救援レポート6
昨日現地情報を送って下さったIさんが、3月5日(現地時間)にConstitution市の視察をされた状況を伝えて来て下さいました。その中に「つなみでんでこ」という言葉が出てきますが、明治の津波以降三陸海岸に伝わる言い伝えです。今、四川支援に当たっているYさんが足で拾い集めた「いのちをまもる智恵~被災に挑む30の風景」(レスキューストックヤード発行)に収録されています。少し在庫がありますから、読んでみたい方はご連絡ください。
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・ 市街地は海岸山地の海沿いの傾斜地に広がる。平地はマウレ川の河口部に限られる。
・ 15-20m高(痕跡の目視による)の津波に襲われ、海岸地帯は壊滅状態。海岸から数十メートル区間は、木造住宅は基礎を残して跡形もなく、鉄筋コンクリート造り3階建ての建物が1戸のみ残っていた。
・ 街中数百メートル、標高は十数メートルか、まで津波が到達している。海岸沿いから乗用車が津波で運ばれてきた。
・ 地震によりレンガ造りの家も多数が被害を受けている。
・ 地震によるがけ崩れも発生。
・ いまだ行方不明者を全国各地から集まった消防救助隊等が捜索中。救助隊によるとこれまでに112名のご遺体を収容。
・ 南に向かう海岸沿いの道路は寸断され通行不能、いまだ孤立状態の集落もある(救助隊への聞き取りによる)。
・ (住民への聞き取りによれば)
津波警報は発出されていない。ラジオも聞いていない。
地震発生とともに高台に逃げ、約10分後に津波の第一波が襲った、翌日未明まで高台にとどまった。
第一波の後、物を取りに帰り第2波に襲われた住民がいる。
地震発生とともに逃げられたのは、普段から避難訓練をするなど住民の防災意識が高いから。学校での防災教育も行っている。
水は軍隊の給水車等により支給されている。それ以外食料等の配給はない。
・ 町に至るまでの街道沿いには住民が食料や水を求める札を持って立っていた。
・ 所感:海岸一体が津波に襲われたにもかかわらず、被災家屋の数に比べて犠牲者が比較的少ないのは避難が徹底していたからである。
地震発生から避難までの時間が10分程度では、どんな正確な警報システムでも効果は期待できない。揺れを感じたらすぐ高台に逃げる、という住民の防災意識こそが被害軽減につながる。このことを今回の事例はあらわしている。三陸海岸には「つなみでんでこ」という言い伝えが残る。「地震の揺れを感じたら、家族のことも振り返らずてんでばらばらで逃げろ、さもないと共倒れになる」という趣旨である。改めて、この言葉の重さを感じた次第。
昨日調査したコンセプション市よりも、略奪被害を除けば、自然災害の被害はより甚大。マスコミ等の報道が少ないのは、どうしても大きな都市からの方が情報が入りやすいからか。
チリ地震救援レポート5
現段階でチリ地震救援をしている関係機関および団体の紹介をしておきます。
また、CODEの正会員でもある鵜飼卓先生が理事長をされているNPO法人災害人道医療支援会(HuMA)さんが、下記のレポートにありますようにチリに調査団を派遣する予定です。なお余談ですが、同行予定の安藤二葉さんは2001年のエルサルバドル地震のときに、CODEが支援させて頂いた仮設住宅でのモバイルクリニックの支援を通して連携させて頂いた方です。
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NPO災害人道医療支援会(HuMA)は、チリ地震被災者への救援について、マグニチュード8.8という巨大地震で、津波を伴った災害であることから、相当多数の被災者が困難な状況にあることが十分予想され、地震発生直後から情報収集に努めてきました。
しかし、空港の閉鎖や現地の混乱のために、チリ政府は「外国の人的人道支援受け入れは少し待ってくれ」という姿勢ですので、JDR医療チームも派遣を取りやめたという事情があります。
今回、HuMAはジャパンプラットフォームの助成金を受け、チリの被災地に調査チームを派遣することにいたしました。
調査チームの団員は、高田洋介看護師(神戸市在住、兵庫大学看護学部)とロジ・アドミ担当 安藤二葉さん(東京都在住、通訳兼務)です。
3月10日(水)成田発、ロスアンジェルス経由でサンチャゴに入り、情報収集の後、被災地のコンセプシオンなどを訪問し、18日帰国予定です。
災害後の亜急性期、復旧・復興期に日本の小規模な医療NGOであるHuMAが、被災者支援のために何ができるか、ニーズがあるとすればカウンターパートをどこにするか、など、ラピッドアセスメントが彼らの役目です。
医療支援のニーズがあり、目標や安全の目途が立てば次のステップになります。関心のあるHuMA会員の皆様は、現地からの報告にもご注目下さい。
皆様のご理解とご支援をお願いします。彼らの行程の無事も祈ってください。
HuMA理事長 鵜飼 卓
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●ADRA(3月4日時点)
ADRA Japanは、チリ地震被災者支援のための募金を開始。
https://www2.charity-platform.com/navi_view.php?id=374&page_state=tab5
ADRAは、チリ政府と協力して、サンチアゴから配布物資の空輸準備を進めている。3月2日、ADRAスタッフ及び80人を超すボランティアが、サンチアゴにあるチリ空軍基地において配布物資の仕分け・積み込み作業を行った。
http://www.adrajpn.org/
*Facebookでtwitterでフォロワー募集中。
●ネットワーク『地球村』(3月4日時点)
募金募集開始。既にAMDAにも寄付。
http://www.chikyumura.org/fund-raise/international/2010/03/01-111657.html
http://www.chikyumura.org/ (団体ページ)
●グッドネーバーズ(3月3日時点)
3月1日にグァテマラから2名の調査スタッフを派遣。サンティアゴ空港が閉鎖されているため、アルゼンチンから陸路で入る予定。スタッフは、被災地で被害状況の調査と、緊急医療の体制を整える準備を行う。また、一週間以内に追加スタッフを派遣し、チリ地震の被災者に5万ドル相当の緊急救援物資をサポートする予定。
http://www.gnjp.org/
●ハビタット(2月28日時点)
調査を開始。
http://www.habitatjp.org/
●ICA(特定非営利活動法人ICA文化事業協会)(いつの情報か不明)
募金募集開始。
http://www.icajapan.org/icajapanj/newsJ.html
●特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム(3月1日時点)
チリ地震(日本時間2月27日午後3時35分発生)被災者に対して、以下の枠組みで支援を実施することを決定。・支援期間 3か月・支援規模 5千万円
この決定に基づき、JPF加盟NGOが、初動調査等の支援活動に出動。
●地元赤十字(3月1日時点)
チリ赤十字社は、チリ政府との密接な連携のもと、震災直後から職員、ボランティアを動員。ボランティアが応急処置など救援活動を展開しているほか、被災者に対して余震への対応について広報活動を行っている。一方でサンティアゴにあるチリ赤十字社本社では、ボランティアや献血協力者の募集を行い、救援活動を拡大中。また、国際赤十字から拠出された30万スイスフラン(約2,480万円)を使用し、まず3,000世帯に対する救援物資の配布を行う予定。
●国際赤十字(3月1日時点)
中米パナマにある国際赤十字の地域事務所から職員が発災直後の28日に現地に到着し被害状況の調査を開始。3月1日にも追加チームが現地入りし、被害状況および支援ニーズ調査、医療、救援物資分野における救援活動の本格化に向けてチリ赤十字社の緊急救援活動を支援する。
●日本赤十字社(3月1日時点)
初動調査のために28日夜に出発した職員(粉川 直樹)は日本時間の3月2日早朝に、サンティアゴに到着する予定。
(他、アメリカ赤十字:5万ドル(約450万円)を救援に充てる。イギリス赤十字:5万ポンド(約675万円)の支援を行った。)
●Pan American Health Organization (PAHO)
●ピースウィンズジャパン(3月4日時点)
募金募集開始。JPFの一員としてスタッフを送る予定だったが、いったん見合わせ。
http://www.peace-winds.org/
●セーブザチルドレン(3月3日時点)
緊急チームを現地に派遣し、被災地調査中。
http://www.savechildren.or.jp/
●ワールドビジョン(3月4日時点)
2万5千人に対し支援物資配布中。
http://www.worldvision.jp/
●EU
・EUは初期支援として300万ユーロ(約3億6千万円)を支援する姿勢。
チリ地震救援レポート4
チリ地震被災地のコンセプション市に入ったI さんから現地の状況が送られてきましたので、ご紹介します。2月28日に日本を発って、アルゼンチン経由アンデス山脈越え陸路でチリ入りし、3月4日にコンセプション市に着いたそうです。
・倒壊家屋:鉄筋コンクリートの建物で完全に崩壊しているのは、本日見た範囲ではこの15階ビルのみだったようです。レンガ造りの家屋は倒壊しているものも認められました。
・救出活動のひと段落:マスコミで報道されているものと思いますが、15階ビルが倒壊し救出作業が行われておりました。現在はこの建物も含め、救出活動はひと段落のようです。
・略奪は収まっております。軍隊が治安維持に出動し、店舗の前などに銃を持って立っています。また、夜6時から昼12時まで外出禁止令が出されています。外出できるのは日中の6時間です。
・物資の不足:引き続き物資は不足しています。数少なく営業している小売店やガソリンスタンドの前には市民が列を作っております。1時間ほど車で走り隣町まで行くと物資は豊富です。
・現地報道によれば海岸沿いに津波による被害も発生しているようですが、道路事情が悪くたどり着けそうもありません。
チリ地震救援レポート3
チリ地震についてOCHAリリーフウェブから、最新の被災状況と各国の援助活動状況です。
3/1 情報源:UNOCHA
―最新の数値では少なくとも799人が死亡し、200万人が被災した。
―人道的活動を援助し、治安を確保するために、軍隊が追加派兵された。
チリ政府の緊急担当部署(ONEMI)によると、死者数は799人に上り、19人が未だ行方不明である。200万人が深刻な被害を受けた。推定150万棟の家が損害を受けた。略奪が起こる最中、10000人の軍隊が被災地、特にMauleとBiobioに展開した。
当局が被災状況の包括的概観を現在見極めているところだが、緊急の優先事項は未だ、捜索・救助活動、医療サービス、避難所、食糧と水、交通と通信と基本的サービスの復興である。
OCHAは10万USDの緊急現金支援を行い、人命救助活動が支援される予定。
・チリ政府は被災地で8箇所の野営病院を建てた。他に4箇所が展開される予定。
・ブラジルは野営病院を設立予定。ペルーも同様に手術室と入院施設のある野営病院を設立予定。
・キューバも26人の医療チームを送り、1箇所の野営病院を供給予定。
・アルゼンチンも3箇所の野営病院を支援。
・国際赤十字・赤新月社はチリ赤十字の救援活動を支援する640万USDの援助要請を発した。75000人が今後、野営病院、水と衛生、緊急避難所などの支援を受ける予定。
・チリ政府は40の仮設避難所を設立した。
・ロシアは毛布や発電機を含む28MTの救援物資を送った。
・オーストラリアは発電機を送る予定
・日本は浄水システム、テントと発電機、医療チームを送る予定。
・スペインは7.5MTの緊急救援物資と75人のチームを派遣予定。キリスト教団体Samaritan’s PurseはConcepcionで救援物資の配布を始めた。また地方の教会に地域食糧配布センターを組織。
・英国赤十字は初動対応として5万ポンドを送った。
・World Visionは防水シート、毛布や水その他の支援を集めている。
・Oxfamは被災地にチームを送り、ボリビアにある倉庫から救援物資の在庫を送る予定。
・シンガポール政府は5万USDを救援物資の購入に寄付する予定。その寄付はIFRCに送られる。
<寄付>
オーストラリア:450万ドル
日本:300万ドル
カナダ:緊急人道支援に200万ドル
中国:100万ドル
ニュージーランド:50万ドル