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No.13「各国の状況―バングラデシュ」

中国湖北省武漢市から始まった新型コロナウイルスの感染は世界中に急速に拡大しています。世界186の国と地域で、感染者82万8,348人、死者4万1,072人に上っており(4/1時点 AFP集計)、WHO(世界保健機関)は数日中に感染者が100万人、死者が5万人に到達するという見通しを示しています。
CODEは中国のNGOと共に「International Alliance for COVID-19 Community Response」(IACCR)という国際アライアンスを立ちあげました。この場を使って、世界各地の現場で起きている問題やNGOなど民間レベルでの取り組みを共有し、各現場に活かしていければと考えています。

CODEではカウンターパートを通じて各地の状況を情報収集しています。
以下、バングラデシュのムハンマド・サイドゥール・ラフマンさんからの情報です。バングラデシュでは、4月1日時点で感染者54名、死者6名が報告されています。

「ここでも数名が亡くなってしまった。政府はロックダウンを発令した。医療、薬局、食料・日用品の店などをのぞいて、すべて営業を停止している。外出制限を強化するため、軍隊が配備されている。ロックダウンは必要に応じて延長される可能性がある。
このような強硬手段をとるほかないことは理解できる。しかし、多くの人が懸念しているのは、ダッカのような都市のスラムに住んでいる日雇い労働者の窮状だ。仕事がなければ、食べ物を買うこともできない。政府はそれに対して支援政策を表明しているが、それがどれだけ実効的なものになるか、我々は注視している。NGOや市民の対応は残念ながらあまり見えていない」

バングラデシュではまだ爆発的な感染には至っていないように見えますが、外出制限等によって、やはり普段から厳しい状況に置かれている人が、ますます困窮しています。(立部)

「International Alliance for COVID-19 Community Response」(IACCR)
http://www.iaccr2020.net/nd.jsp?id=183&fbclid=IwAR2A87tFZvyR6LCPHQxsZkrkcbDiYCwqMpnb3I-S0OtUuV1ulGIK5x4BCV8#_np=2_317

中国新型肺炎救援ニュースNo.12

「分断から連帯へ」
 中国湖北省武漢市から始まったコロナウイルスによる新型肺炎の感染は、世界174の国と地域に拡大し、感染者44万295人、死者2万308人に上っています。現在、イタリアやスペインなどがかなり厳しい状態になりますが、今後、衛生状態の厳しいアジア、アフリカなどの途上国での感染拡大が懸念されます。インドネシアでは感染者が増えてきており、かなり高い死亡率になっています。 
 国連は、25日にWHO(世界保健機関)だけでなく、UNHCR(国連人道問題調整事務所)、UNDP(国連開発計画)などが連携して、途上国の支援を開始する発表しました。医薬品など救援物資の提供や感染防止のための衛生指導などを行うようです。 
 CODEは、大阪大学と連携してこれまで中国や台湾などとの学び合いを行ってきたことから、中国のNGOと共に「International Alliance for COVID-19 Community Response」(IACCR)という国際アライアンスを立ちあげました。事務局は、CODEのカウンターパートの中国四川の新安世紀教育安全科技研究院です。この場を使って世界各地のNGOなどの民間の取り組みや現場レベルでの経験や知恵を互いに共有し、各現場で活かしていくというものです。 
 すでにアフリカや南米アマゾン奥地の先住民の集落まで感染が広がっているとの情報もあります。もはや中国、日本というレベルではなく、世界の共通の課題として取り組まなくてはなりません。感染拡大の中で、差別や偏見、社会不安が各地で起き、人と人との関係が分断されつつあります。今こそ人と人の連帯でが必要な時ではないでしょうか。(吉椿)

「International Alliance for COVID-19 Community Response」(IACCR)
http://www.iaccr2020.net/nd.jsp?id=183&fbclid=IwAR2A87tFZvyR6LCPHQxsZkrkcbDiYCwqMpnb3I-S0OtUuV1ulGIK5x4BCV8#_np=2_317

中国新型肺炎救援ニュースNo.11

「市民力と安心、そして最も厳しい人たちへのまなざし」
 中国湖北省武漢市で発生したコロナウイルスによる新型肺炎ですが、現時点(3/19)で世界150の国と地域に感染が拡大しています。
 世界全体の死者数は8,784人、感染者数は200,500人(AFP集計)となっています。中国本土(香港・マカオを除く)の感染者は、80,894人で死者3,237人となっていますが、69,601人もの人が回復しているという事実も忘れてはいけません。中国に次いで感染者が多いのが、イタリアで感染者35,713人、死者2,978人、イランで感染者17,161人、死者1,135人、スペインで感染者13,716人、死者598人、フランスで感染者9,134人、死者264人となっており、ヨーロッパで甚大な被害が出ています。 
 前号でもお伝えしたように3/9に大阪大学未来共創センター・災害ボランティアラボの主催(CODE共催)「中国・台湾から学ぶ」という学習会を中国とオンラインでつないで開催しました。 
 この学習会を開催することになったのは、カウンターパートの張国遠さんとの情報のやり取りの中で、「 今、武漢では、回復者への差別や高齢者の孤独死、自閉症児の餓死などの厳しい問題が起きている」ことを知り、それは感染が広がる日本や各国で今後、武漢のような状況が起きるかもしれないと思ったからです。 
 この学習会で各地からの報告で見えてきたのは、「市民力」と「安心」、「最も厳しい人たちへのまなざし」でした。
 オンラインでボランティア活動を行っている中国の張さんからは、「NGOやボランティアが注目すべきは、公的援助から取りこぼされているホームレスの方、高齢者、重症者、障がい者、貧困家庭などだ。」、「武漢ですでに動いている地元のボランティアの人たちが大切だ。」、「ボランティアやNGOなどの社会の力(市民力)を結集することが大切だ」などの報告がありました。 
 台湾からの報告では、京都大学の李旉昕さんが「いち早い政府の対応の背景には、2003年のSARSの経験やWHOから除外されていること、市民やメディアからのプレッシャーなどがあった。」、「データや情報を積極的に市民に開示することが安心につながる」、「孤立しているからこそまとまることができた」と報告してくれました。
 これらの報告を受けていかに市民が連携し、政府を動かし、安心を確保するかが重要であること、そして今後起きる可能性のある最も厳しい状況の人たち(高齢者など)のいかに守るのかを学ぶことができました。そのためにはやはり「市民力の向上」が必須です。 
 WHO(世界保健機関)は、3/11にパンデミックであることを宣言し、もはや中国や日本だけの問題ではなく、世界全体で知恵をしぼってこの難局を乗り切りのか、そしてウイルスといかに共存していくのかを考えなくてはなりません。(吉椿)

中国新型肺炎救援ニュースNo.10

「中国・台湾の現状から学ぶ!!」
先日3月9日に、大阪大学の未来共創センター・災害ボランティアラボとCODEが共催し、新型コロナウイルスについて、中国、台湾、日本の取り組みを学ぶ学習会を行いました。

日本からは、災害ボランティアラボでこれまでやってきた学習会の内容や、日本のNGOの支援状況、中国との連携の経緯と状況について報告されました。
中国からは、CODEのカウンターパートである張国遠さんらが立ち上げたボランティアネットワークCEER(Civil Engagement in Emergency Rescue)の支援活動や、現在武漢で起きている問題について紹介されました。CEERは約700名が参加するネットワークで、オンラインでの情報交換や支援のマッチングなどを行っています。一方、被災地武漢では、現地の人たちが支援物資配布やニーズの発信などに奮闘しており、最前線で活動するのは地元の人であるべきだとの指摘がされました。また、湖北省では隔離家族の孤独死や餓死が発生し、特に独居の高齢者や子ども、障害者、貧困層が厳しい状況にあること、回復した患者への差別が起きており、コミュニティの力が重要であることも報告されました。
台湾からは、政府の対応や情報発信、マスク対策などについて報告がありました。マスクマップ(マスク在庫の見える化)などの対策は、市民の安心感につながっているそうです。また、台湾は国際的に孤立している(WHOから除外)という背景があるため、むしろ独自の情報収集や対策をとることができ、国内の結束が強いという点も指摘されました。

中国や台湾の動きに対して、会場からは「日本では、感染症のことは専門家で対応することで、市民が何かをするという感覚があまりない。災害とすら思っていない人が多いのではないか」という指摘がありました。
日本では、イベント自粛や一斉休校という事態になってから、様々な助け合いの動きが出てきたように思います。目に見える、あるいは身近な誰かのためだから頑張れる。逆に言えば、誰かが困っているということが表に見えてこないと、なかなか人は動かない。この状況で困っているのは誰なのか、私たちはもっと想像力を働かせなければいけないと感じました。(立部)

中国新型肺炎救援ニュースNo.9

「武漢の状況④」 
 新型肺炎の感染源である湖北省武漢市では、現在、約29,000人の方が入院していますが、少しずつ病床に余裕が出てきているようです。また武漢市内のある病院も最後の患者34人の治療を終え、隔離施設などへ転院した後、しばらく休院するとのことです。大学が30以上ある武漢では、最近オンライン授業が開始されたり、市内の一部ではデリバリーの出来るファーストフード店なども営業を再開し始めたようです。 
 武漢の住民の多くは、「社区」(マンション単位の社区も多い)と呼ばれるコミュニティーに属しており、社区の入り口では住民のボランティアが体温チェックなど感染拡大に配慮しています。また、最低限の食糧品などはその社区の管理人がまとめてネットなどで購入し、濃厚接触しないようにグループに分けて配っているそうです。
 神戸在住の中国人留学生Aさんの家族は湖北省武漢に住んでいます。Aさんは、以下のように武漢の状況を教えてくれました。「武漢はまだ厳しい状況で、町は閉鎖した状態で管理されています。現在、スーパーマーケットや薬局は個人への商品の販売は停止しており、地区ごとのグループ購入のシステムでしか購入することはできず、人の動きは減っています。とりあえずの私の家族の地区は物資確保の状況は問題なく、肉類、野菜類、フルーツはグループ購入できます。現在、基本的には地区の責任者とボランティアが一緒に地区の住民に野菜などを配達するという状況です。」 
 閉鎖された武漢では、状況はまだ厳しいものの、コミュニティーで力を合わせ、助け合いながらこの難局を乗り切ろうとしています。(吉椿)

中国新型肺炎救援ニュースNo.8

「武漢の状況③」
湖北省武漢市の新型肺炎の支援をしているNGO備災センターの張国遠さんからの情報です。
「マスクなどの物資不足の状況は緩和してきた。武漢の病床の状態も落ち着いて来た。だが、依然として人工呼吸器の需要はある。感染症以外の重症または慢性病患者の転院の問題が出て来た。また、独居の高齢者や留守児童、貧困家庭、障がい者などの特殊な状況にある人たちが厳しい状況にある。すでに自閉症の子供の餓死や高齢者の孤独死も起きている。感染から回復した人の心のケアも急務だ。地域や周りの人による回復した人への差別的な態度があり、回復した人とその近親者が地域に戻れるような支援が必要だ。」と張さんは現在の中国の状況をおしえてくれました。
現在、日本でも感染が拡大し、学校の一斉休校や経済への影響や社会不安が懸念されていますが、今、中国で起きている事はこれから日本でも起きる可能性があります。一歩先を行く中国の成功と失敗から学ぶ必要があります。
今、中国の人たちは、自国よりも日本の状況をより憂いており、「お返しをしたい」、「経験を伝えたい」と言っています。(吉椿)

中国新型肺炎救援ニュースNo.7

「支え合い-山川異域 風月同天」

 中国湖北省武漢市から世界へと感染が拡大している新型肺炎ですが、中国(感染者78,064人、死者2715人)をはじめ、日本(感染者147人、死者7人)や韓国(感染者1261人、死者12人)、イタリア(400人、死者12人)、イラン(感染者139人、死者19人)など45の国と地域で感染が拡大しています。(NHK調べ)

 2011年の東日本大震災の際に福島の避難者支援で協働させていただいた「生活クラブやまがた」(米沢生活協同組合)さんから中国新型肺炎へ多額の寄付をいただきました。ありがとうございました。

「コロナウイルスの脅威、中国の人たちを支援しよう!」と組合員の方々の寄付692口というたくさんの方々の思いをいただきました。理事長や専務は、「3.11の時あの大変な時、いち早く神戸から来てくれたことはみんな覚えてるよ。こんな時だからこそ助け合わないと!」というお言葉をいただきました。

 武漢の支援に奔走している四川のNGOからも「日本は大丈夫か?俺たちの経験を伝えることもできるから、何で言ってくれ。」とメッセージがきました。

 東京では、中国人女性が「こんな伝染病を日本にもたらして申し訳ない気持ちでいっぱいです。それなのに日本人は武漢に支援物資を送ってくれた。武漢市民を代表して恩返しをしたかった」と 路上でマスク1000枚を配りました。

「山川異域 風月同天 」(住む場所は違っていても同じ空のしたでつながっている)という漢詩の言葉は、1300年前に長屋王(天武天皇の孫)が鑑真に送った袈裟に書かれていた言葉で、この言葉で鑑真は日本に行って仏教を広めることを決意したと言われています。日本も中国も、そして世界各地で深刻な状況になっていますが、今こそ「支え合いの連鎖を!」(吉椿)

中国新型肺炎救援ニュースNo.6

「中国のNGOとボランティアの動き」 
 CODEのカウンターパートであるNGO備災センター(四川省成都市)の張国遠さんたちは、今回の新型肺炎に対して救援ネットワークを設立しました。
 張さんは、全体統括主任として、 中国各地のNGOやボランティアが参画を進めており、現在、10チームに分かれて約400人のボランティアたちが登録しています。 
 ボランティアたちが、それぞれの専門や特技を活かして、ボランティア調整、海外調整、情報、広報、アクション、物流、ロジなどの各チームに加入しています。 
 このネットワークは、SNSを活用して武漢の物資のニーズを収集したり、寄付者からの物資を集めたり、武漢に運ぶルートの調整などを行い、武漢の病院や患者さんたちに直接届けています。ボランティアたちの中には、61万個のマスクをイギリスで購入し、武漢に届ける準備をしている人、病院に40万セットの防寒着を調達した人、武漢で感染した人への救援物資を発信する医療スタッフ、心のケアの情報を提供する専門家などもいます。 
 現在、武漢に入ることができるのは限られた医療スタッフのみで、非常に難しい遠隔の支援活動ですが、張さんたちNGOは2008年の四川大地震以降、培われてきた経験やネットワークを駆使して武漢の被災地を支えようとしています。 CODEは彼らの動きをサポートします。ご協力のほどよろしくお願いいたします。(吉椿)

中国新型肺炎救援ニュース No.5

「武漢の状況②」 
 神戸に住む中国人留学生のAさんは新型肺炎の被害の深刻な湖北省武漢市の出身です。彼の家族は、今も武漢市で暮らしています。Aさんによると「武漢は、完全に封鎖されていて、物資も不足しています。私の家族の皆、無事ですが、ずっと家の中にいます。4週間まったく外出していません。マスクはある団体が支援物資でマンションの下に置いていってくれました。現在、武漢では個人的に支援物資は受け取る事はできません。すべて政府を通さなくてはなりません。」と状況を教えてくれました。 
 現在、武漢市(人口約1100万人)は感染拡大を防ぐために市内を完全に封鎖しています。また、病院や隔離施設も急きょ準備され、中国全土から集まった約2万人の医療スタッフが必死の治療を行っていますが、人員や医療物資の不足などで治療がまったく追いついていない状況です。感染した人たちも自宅や施設で家族と隔離された状態で、不安を抱えながら治療の順番をじっと待っています。 
 すでに報道されているように、残念なことに日本でもコロナウイルスによる死者が出てしまいました。フィリピン、香港に次いで中国本土以外で3人目となりました。
 2/14日現在で、中国本土の死者は1483人、感染者約64,000人、中国本土以外では、日本203人、シンガポール50人、タイ33人、韓国28人、台湾18人、マレーシア18人となっていますが、忘れていはいけないのは、完治して退院した人も6723人いるということです。正しく恐れる事が大切です。(吉椿)

☆救援募金にご協力下さい
郵便振替:00930-0-330579 加入者名:CODE
*通信欄に支援先を明記してください。(例:「中国肺炎」)
*募金全体の25%を上限として事務局運営・管理費に充てさせていただきます。
*クレジットカードをご利用の方は下記ページからご寄付いただけます。
http://code-jp.org/cooperation/index.html

中国新型肺炎救援ニュース No.4

「武漢の状況」 
 中国湖北省武漢で発生したコロナウイルスによる新型肺炎の感染は、27の国と地域に広がっています。その大半は中国湖北省ですが、その他、日本90人、シンガポール40人、タイ32人、香港26人、韓国24人、台湾17人など中国本土以外では、353人の感染が確認されています。
 9日時点で、死者803人(780人が湖北省)、感染者約36693人(約271 00人が湖北省)
 CODEのカウンターパートである四川のNGO備災センターの張さんからの情報です。
「現在、武漢に入る外部者は限られており、医師などの医療スタッフ以外が武漢に入るのは厳しい状況だ。僕たちの仲間のW医師が現地に入っている。彼が言うには、医療物資が本当に不足している。たくさんの患者が自宅で治療の順番がくるのをただ待っているj状況だ。」と語ってくれました。
 張さんたちは、中国国内のNGOの救援プラットフォームを立ち上げ、医薬品などの救援物資や医療スタッフの派遣などの支援を行っています。現在、武漢では、約2万人の感染した人たちが不安の中、ただ治療を待っている状況です。
 張さんが最後に語った「つらい・・・」という言葉がその深刻さを表しています。(吉椿)

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http://code-jp.org/cooperation/index.html