レポート6に書きましたが、暮らしそのものが「防災共育」になっていなければ効果も半減するだろうと思われます。「子どもに、小さい頃から自分の衣服がどこにあるかを覚えさせ、いつも自分で着脱ができるように教えることが、まず防災共育の第一歩です。」と、日本の防災の専門家が言われたことを思い出します。
さてタララ村の子どもたちは、ガソリンスタンドで車の「洗車」をしたり、地域のお寺で開かれるバザーに野菜などを出品したりしながら、活動費を捻出して頑張っています。そういう子どもの活動を見て、ツクツク(スリランカのオート三輪タクシーの愛称)のドライバー達が協力してくれたりして、タララ村で生まれた「プラトナ・チャイルド・クラブ」が地域に支えられ活動をしています。「暮らしの中で」というのは、おそらくこうした生活の延長で”防災共育”を口にすることに意味があるのだろうと、クキさんは気づいてきたようです。
ご存知のように、スリランカを津波が襲ったのが2004年12月26日です。2年目の昨年12月26日、クキさんが「26日には何かやろうか?何もしないの!」と子どもたちに投げかけたところ、タララに住む一人の子どもが「ボランティアしようよ!海岸掃除をしょう!」と提案したのです。2年目の節目ではあるが、何か華々しいことをやるわけでもなく、そっと「ボランティアしようよ!」というのは最高の提案だと学ばせて貰いました。日本では、阪神・淡路大震災後、震災のあった「1月17日」がボランティアの日になり、その1週間は「ボランティア週間」と意義づけられたほどです。子どもといえど
も、ほんとに感性がすばらしいと思いました。
余談ですが、タララ村でもクキさんは人気者ですから、タララ村の中で借りている家は毎日地域の人のおしゃべりの場でもあり、コミュニティ・カフェKUKI」になっているようです。また、日頃のなんでもないおしゃべりも紹介できたらと思います。