今年度のスリランカでの防災共育プログラムに、日本で有名な「稲村の火」などの話を読み聞かせながら、スリランカオリジナルの絵本づくりに挑戦します。そんな立派な作品にならないかも知れませんが楽しみにしておいて下さい。おそらく今年度最後のギリギリになるでしょう。
さて、この種の絵本ですが、ご存知の方もおられると思いますが、すでにたくさん出版されています。その中でも奈良に本部を置く「スリランカの教育を支援する会」がすばらしい活動をされていますので、是非HPをご覧になって下さい(http://www16.plala.or.jp/j-slfpb/)。
CODEも、津波直後に現地入りしたときはこういった絵本づくりを目指していたのですが、足踏み状態です。でも、きっとタララ村からオリジナルの絵本が生まれることを願っています。防災共育の中でも、こういう普及ツールはやはり現地の文化や生活に馴染んだところでのストーリーができなければ効果は半減します。例えばインドネシアの場合は、”ワヤンクリッ”という影絵が暮らしに浸透
しているので、影絵を使って津波から命を守るための防災共育などをストーリーを演じれば間違いなく子どもたちにも浸透するでしょう。さてスリランカでの大衆文化は何でしょうね?ちなみに、今ではどうなのかわかりませんが、いっとき日本の「おしん」が大人気だったそうです。おしん版津波絵本ができれば、受けること間違いなしですが、ちょっと難しいかな?と思います。
ところで、スリランカの南部を中心に布教されている仏教は小乗仏教ですが、お寺のある地域では、住民が大変信仰心が厚いと言いましょうか、寺との関係がなくては暮らしがあり得ないというほどのものです。クキさんからのレポートによると、年に1回どこかの寺(例えばタララ村の場合は、村にある寺)に近隣のチーフモンク(僧侶のリーダー)を招待し、住民が僧侶達に食事のサービスをし
ます。僧侶達が食べ終わって、はじめて住民が食事につくのですが、(クキさんが尊敬している)タララ村のチーフモンクは、一人ずつみなさんのお皿に「たくさん食べて下さいね!」と笑顔でささやきながら配膳されるそうです。クキさんはこのお寺で食事をご馳走になるひとときも「防災共育」だといいます。何故なら、「このひとときは、人の心を穏やかなやさしい気持ちにさせてくれたからです。その優しい気持ちは、あらゆる人災に対して大きな”備え”となると思うのです」と。
あれ?これがそのまま絵本のストーリーになればいいのになぁ、チーフモンクを題材にはできないか??。余談ですが、それにしてもこの「備え」については、アフガニスタンの平和学ででも教えて頂いた話しと同じです。