スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.43

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【写真】キラウェラ村へ ようこそ♪
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【写真】キャラウェラ村の高台への階段

(クキさんレポート36)
 第5週目「防災マップ作成 ①」共育がデビヌワラ・キラウェラ村で実施された。今回で4回目となる「防災マップ作成①」もデビヌワラ・シンハサナ村からの高校生ボランティアリーダーらの助けもあり、スムーズに実施することが可能となった。村長の息子が中心となり彼が描いた地図が模造紙に書き写されていった。この村にはお寺がある高台の他に、プロジェクトサイトから歩いて10分ぐらいの場所に少し急な階段がある高台がある。避難所となる場所に設定するには、狭すぎることとなりこの村の避難所をお寺と設定した。実際、津波時この高台に避難した人の数は少なく、殆どの住民がお寺へと避難したと聞かされていた。しかし、防災マップ作成にあたってはこの高台も明記した方が良いのではないかとのボランティアリーダーらの意見を取り入れ、地図に明記することになった。
 この高台の上には2軒の家が建っていた。その住民に話しを聞くことができた。津波が襲ったあの日、この高台から見える光景は地獄そのもので、それが津波である知識もなくだ、呆然とその光景を見ていたらしい。階段の途中まで水が押し寄せてきて初めてお寺まで避難したと聞いた。「なぜお寺に避難したのか?」と聞いたら、お寺には仏陀がいるので守ってくれると思ったからと答えた。お寺が避難所になるという考え方は、津波後であり普段の彼らの生活においてお寺はやはり仏陀(神)の場所としての観念が強いのであろう。そしてその仏陀(神)が彼らの命を守ってくれると信じている。仏教の仏陀、キリスト教のキリスト、イスラム教のアッラー、ユダヤ教のヤーヴェなど、それぞれの宗教には神や指導者として誰かが、何かが存在する。彼らに救いや助けを求めるその行為自体を否定することなどは出来ないが、ただ祈っているだけ、救いを求めるだけでは、災害時には何の助けにならないのも事実である。逃げなければ、耐震の建物を建てなければ、そこには死というものが待ち受けている。この事実を相手の宗教を重んじながら説明するのが実は一番難しいのではないかと思う。災害時の行動のあり方やその後の復興過程は、住民の神への信仰心(宗教)と密接な関係があると思う。この関係性を深く知るには、まず、その土地の宗教を勉強すること。ここマータラにおいては仏教。今後の課題として仏教の講座を僧侶から受けてみたいと思う。
 第6週目は、「防災マップ作成②」共育プログラムがプロジェクトサイト4ヶ所で実施される予定である。切り絵を地図に落とし込める作業と、防災マップの検証を行う。子どもの目から見た防災マップの検証を通して、多くのことを学ぶであろうと確信している。何度も同じことを言いたい。子どもの感性や彼らの目は大人よりも鋭いということだ。そこから学ぶことは多い。ちなみにこの防災マップ検証のプログラムを実施するにあたり、CODEの事務局長である村井さんから多くのアドバイスを受けた。このプロジェクトは多くの方の助けによって実施されている。CODEを初め、日本の支援者の皆様やそしてここスリランカの地元の方々からである。今後ともご支援、ご指導の程、宜しくお願いします。
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