スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.31

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【写真】Tottamuna Jaya Maha Viharaya
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【写真】一人静かに描いていました
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【写真】お兄ちゃんに抱きつく妹

しばらく途切れていましたが、スリランカ防災「共育」プロジェクトのレポートを再開します。前回とは別の地域での「避難所の写生」です。2回に分けてお届けします。
(クキさんレポート24)
 4週目「避難所(お寺)の写生」共育プログラムがトッタムナ村で実施された。この写生の目的は、第5&6週目になる、「防災マップ作成」共育プログラムのための下準備もかねている。プロジェクトサイトから避難所となるお寺までの道をみんなで歩きながら覚えてもらうことと、写生をすることにより避難所(お寺)の様子などを目と体で覚えてもらうことにある。私たちがプロジェクトサイトに到着すると既にボランティアリーダーらと子どもたちはお寺に行っていた。プロジェクトサイトから子どもの徒歩、約10分で避難所(お寺)まで着いたと後から聞かされた。
 今回も前回と同じく、画板が子どもたちに配られた。初めて見る画板に目をパチクリしている年少さんや、少しカッコつけて、片足を斜めに前に出して立ってみる子どもや、画板を椅子の上に置いて描いている子どもや寝転がって描いている子どもなど、画板ひとつで、こんなに違ったスタイルの写生が創れるんだなぁと感心しながら子どもたちを見ていた。
 写生のプログラムが実施された同じ日に、トッタムナ村でお葬式があった。式に参列するため、母親が小さな女の子を連れてきた。お兄ちゃんなのだろう、プログラムに参加している男の子がその女の子の方に駆け寄った。お兄ちゃんは妹を抱きながら、写生を再度開始した。しばらくすると、その女の子がワンワン泣きはじめた。そして、お兄ちゃんに抱きついて、離れなくなってしまった。(写真参照)お兄ちゃんは、写生どころではない。抱っこしては、少し描き、なだめては、少し描きを繰り返していた。ボランティアリーダーらが、女の子を抱き上げるとその子は、更に泣いた。どうすることもできないでいるボランティアリーダーは、お兄ちゃんと妹を見守るしかなかった。お兄ちゃんは、写生を諦めて、ずっとずっと妹を抱き続けていた。その光景を見ながら、私もどうすることもできなかった。
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