つぶやきレポート「パキスタン被災地の今」 Scene.14


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【写真】(上)むき出しになった山肌
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【写真】(上)ムザファイルさんの村は地滑りで崩れてしまった

3月 ムザファラバード
 ムザファラバードは東西を山に囲まれ、街の中心を南北にニラム川が流れる。街の東側斜面の山肌が、今は真っ白になっている。すべて地震による地滑りで山肌が削られ、石灰岩質がむき出しになっている。その斜面には多くの村が点在している。
マクリー村もその一つだ。
大学テント村に暮らすムザファイルさん(48歳)もそのマクリー村の出身だ
(ちなみに、ムザファラバードは「ムザファイルの町」という意味)。
家族、親せき17人で3つのテントで寝泊まりしている。
ムザファイルさんは8人の子どもたちのお父さんだ。
そのムザファイルさんの案内でマクリー村に行ってみた。
車で約20分、道路から急斜面を歩いて上がる。
約1時間くらいの登山だ。
村は急斜面にへばりつくように点々と家が続く。
この村は街から近いこともあり、ほとんどの人が街に働きに出ていたそうだ。
山の一番高いところには小学校があり、子どもたちが通っていた。
村には女性のための裁縫の学校もあったそうだ。かつてはここに約5000人が暮らしていた。
ムザファイルさんの家は急斜面に建っていたため、地滑りで家は全壊していた。「政府は今月末でテント村を閉鎖して、村に帰れという。でも、この崩れた場所のどこに住めというのか?」
「政府はこの村の状況は、何も分かっていない」
と、ムザファイルさんは言う。
山頂付近では、地割れを起こしていて、そのすぐ向こうには最大の地滑り地帯が見渡せる。
この土地に愛着はないのと聞くと
「別に田畑を持っているわけではないから・・・。それよりもここは危険だ」と言っていた。
ムザファイルさんは、最愛の弟さんを亡くしている。
倒壊した家屋の下敷きになった遺体を運び出す時、右足が瓦礫に挟まれていて、やむを得ず足を切断したそうだ。
イスラム教では、土葬でわかるように体に傷を付けることを禁じられている・・・。
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