第 3 次パキスタン訪問日記No.10

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<午前4時に第1回目のお祈り>
モスリムの助けあいで思い出したが、ここでは早朝4時にモスクからのアザーンが聞こえてくる。ホテルから見える山の斜面に、やがてホタルのごとく火がつく。考えてみれば、朝の4時から神に祈るという行為を毎日行うということは凄いことだと痛感する。どこかで昼寝でもしないと一日がもたないなんて想像するのは、俗人の考えなのだろうか?
街を歩いていても、ムザファラの人たちの目線は優しい。夕食に、川沿いにある屋台風のレストランに入り、食事をしていた。ナンを焼く職人さんが、途中で二回も暖かいナンに取り替えてくれるという心配りが憎い。気に入ってまた、翌朝遅い目の朝食で同じ店に行ったが、今度は冷たいナンしか出てこなかった。きっと朝は忙しく、大量にナンを焼くので、焼きたてのナンには間に合わなかったのだろう。店先の道路の鉄柱に羊が4匹つながれており、バイヤーが何やら羊飼いと話している。商談が成立したのか、その羊飼いはゆったりとタバコを吸いながら休憩をしていた。しばらくすると、ナンの材料となる小麦粉が運ばれてきた。重たいものは背中に乗せて運ぶ。30年前神戸の港湾で働いていた時を思い出す。ここムザファラバードの中心街では、ニーラム川にへばりつくように小さなお店が並んで商いを営んでいる。こうした姿を見ていると、10ヶ月前にあの大地震があったのかは想像がつかない。