つぶやきレポート「インドネシア被災地の今」 Scene.8
【写真】瓦礫の街と化したバウラン村 |
【写真】多くの人は、今もなおガレキの中の小屋で暮らす |
バントゥル県のバウラン村のRT(隣組)長であるスーダルモンさん(53)は、他になり手がいなくて第4RT(33世帯)の長を1987年からずっと務めている。やはり政府からの方針はまだ何も聞いてないという。村の再建の事も今は何も考えられないと。スーダルモンさんの個人的な事はあまり聞かなかったが、RT長としての重荷なのか、自分自身被災したという悲しみからか、肩を落として元気がなく見えた。「夜になると悲しくなって眠れなくなる。。」「食べ物があれば食べるし、なければ我慢するだけだ。」と。「ただ今は自分の健康の事だけを考えている。」という言葉を何度か耳にした。やはり中高年の男性の事が心配される。すでにある村では自殺もあったという。
1週間後の被災地では食料やテントなどの物資がようやく落ち着きつつあるが、これからどうやって住宅を再建するのか、どうやって仕事を取り戻すのか、それには長い長い時間がかかる。だからこそ今、被災者の彼らにどういう「安心感」を与える事ができるのかを考えなくてはならない。。。
最後に、スーダルモンさんは、つい先日まで村の若者たちがやっていた路上での募金活動について「本当はお金がほしいが、自分たちから求めるものではない。相手から与えられれば頂くが。。」と言って若者の募金活動を止めさ
せたそうだ。つらそうなその表情の中にも清貧の誇りを感じた。。