<文化や伝統の再建>
ジョグジャカルタ特別州知事でもある、スルタン・ハメンクブウォノ10世が、毎日新聞社との会見で、歴史遺産の被害に心を痛めていると日本のみなさんに伝えた。被災地からの連日の被害報道は、世界遺産である仏教遺跡の被害やジャワ舞踏や伝統楽器「ガムラン」、あるいは陶芸、ろうけつ染め、銀細工など伝統文化の被害も伝えている。この街は、こうした伝統文化に支えられて歴史を築いてきたようだ。
被災者にとってはもちろん家の再建や仕事の再建が急がれるが、被災地としてはこうした文化や伝統の再建が「象徴的復興」のシンボルにもなるだろう。
11年前の阪神・淡路大震災のあとの2月、神戸元町の南京町では、恒例の”春節祭”が開催された。この祭りで、打ちひしがれた気持ちが吹っ飛んだという人たちは少なくなかった。また半年後くらいに「文化とは、人間が人間らしい営みを築く過程」というようなことを書かれた大学教授がいた。
災害後の暮らしというものを考えるときには、前よりもいい、元気になる暮らしを再建したいものだ。伝統文化を守りつつも、新しい価値観を創造することを忘れないで欲しい。
もちろん「暮らし」とは総合的なもので、住宅というハコモノだけが確保されればいいというものではない。こうして考えてみると、「住まいの再建」には相当な時間を費やさなければならないということが言える。
*関連団体の動き*
神戸学院大学や県立舞子高校の生徒さん達も募金活動をはじめています。6月に文化祭を開催する高校も少なくなく、丁度アピールするのにもいい機会のようです。
当センターの事務所は神戸市内にあり、連日の報道をみていると、毎日のように兵庫県や神戸市からの援助やNGO・NPOなどの市民の取り組みも紹介されています。ふと、「他地域でも同様に支援活動が活発なのだろう」と思ったのだが、どうなんだろう??