No.3-2 四川省大地震から5年  ~四川大地震5周年レポート2~

四川大地震から5年が経った。
だが、5年を目前に4月20日、M7.0の地震が再び四川省雅安市を襲った。死者・行方不明者217人、負傷者約1300人、倒壊家屋16万戸という被害が生じた。
各メディアによって、再建された建物の耐震性や四川大地震の教訓などが取り沙汰されているが、公共施設は悉く倒壊し、避難所になりうる場所はほとんどなかった四川大地震に比べれば、この雅安地震では再建された公共施設も被害は受けているが倒壊には至っておらず、学校は避難所として使用されている。耐震基準も厳しいものを取り入れているはずだが、それが末端まで徹底しきれていない事が問題なのである。ましてや一般住宅にはなおさらの事、耐震性の普及には至っていない。
また、ボランティアが殺到して被災地で渋滞を引き起こしたとも言われるが、NGOもプラットホームを作り、被災地での支援のもれをカバーしようした。そして敢えて被災地に行かずに後方支援に回ったボランティアもいる。この5年でNGOもボランティアも確実に経験と実績を積んできている。
そして、寄付の価値も変化してきている。2008年の四川大地震の際は、多くの寄付金が国家的チャリティー機関でもある紅十字に集まったが、今回は紅十字にはあまり寄付金は集まっていないという。ネット上では、多くの人々が支援の見えやすい基金会やNGOに直接送りたいという声が多かったようだ。また、中国で有名なネットショッピング「淘宝」で形のない商品「サービスパッケージ」を購入する事で寄付をするという方法も生まれている。
この雅安地震の様子を見ていると、地震発生後にどのようにして自分の命を守るかといった事が5年を経てもまだまだ人々に伝わっていない。国際機関などによって「心のケア」や防災教育などの取り組みも行われているが、研究を受けた中国の人々が如何に農山村の末端にまで伝えきれるかが重要になってくる。
13億の民を抱える大国、中国で防災・減災、そしてNGO・ボランティアの動きはまだまだ始まったばかりである。四川大地震から5年を経て発生した雅安地震で活きたものもそうでなかったものもある。中国では様々な取り組みを末端まで浸透させるにはまだまだ時間がかかる。今後、日本は防災・減災の智恵を一方的に伝えるだけでなく、海外の国々の現場で生まれている様々な知恵を共に学び合っていく事が必要であろう。  
(吉椿雅道)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)