ラクイラ地震(イタリア中部地震)は2009年4月6日3時32分(M6.3)に発生した。死者301名、多くの歴史的建造物にも被害が及んだ。CODEは翌日に救援を開始し、23日から9日間スタッフの尾澤を被災地に派遣した。
被災地へと入った尾澤は「Ridere per vivere」という団体によるドクタークラウン(臨床道化師)の活動に参加した。
ドクタークラウンは道化師の恰好をしておどけることで人を笑わせ、被災者の精神的、肉体的負担を和らげることができる。イタリア政府はこの活動に対して年間2億5000万円の支援をしている。
「ドクタークラウンは言葉はいらない、子供と遊ぶという感じだ。誰でもできることだと思う。」と尾澤は活動を振り返った。当時尾澤は「一人の市民として自分ができることをやろう」と思った。イタリア語が話せない尾澤でもちょんまげのかつらを被ったサムライクラウンとなり、被災者やボランティアと笑い合うことができた。尾澤は東日本大震災の後、「誰にでもできる」ことをするボランティアバスを40回以上も出している。
ラクイラ地震から4年経った現在、被災地は一向に復興していない。多くの建物は金具で一時的な補強がされているだけで、立ち入り禁止区域も多くあり、街にはほとんど人がいないためゴーストタウンの様だ。イタリアの経済危機も相まって資金が不足し、復興の目途が全く立っていない。ラクイラ市は当初10年で復興をとげると発表したが、既に4年が過ぎている。果たしてそれは実現するのだろうか。
(上野智彦)
No.1 イタリア・ラクイラ地震から4年
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