インドネシア・スラウェシ島地震津波救援ニュース No.23

kampung kami di telan bumi
petobo tinggal kenengan
kami butuh tempat tinggal

「 私たちの村は地球に飲み込まれてしまった
ペトボはだだの記憶になってしまった
私たちには生きる場所が必要だ」

地震の液状化によって被災したペトボ地区で住民によって掲げられた看板に書かれていた言葉だ。ペトボ地区(1747世帯)に入ると、道路が突然なくなり、5mほど陥没して、見渡す限りガレキの山と化している。本来は、のどかな田園風景の中に家が点在していたのだろう。看板に書かれているように地盤沈下によって人の暮らしが大地に飲み込まれた。
自宅のすぐ横で液状化が止まり、かろうじて倒壊を免れた40代の男性は、妻と子ども2人の4人家族だが、地震が起きた時、その男性は、液状化を起こしたエリアで結婚式に出席していた。地震で大きく揺れ、その後、大地が陥没し始め、水が噴き出してきたという。「とにかく急いで逃げたよ。沢山の人が助けを求めていたが、助けられなかった。」と複雑な表情を浮かべた。
「自宅は倒壊しなかったが、いつ崩れるか分からない。怖くて住めないよ。今は、近くの幹線道路沿いで、ガレキで作った仮設の小屋で暮らしているよ。」と語った。仮設の暮らしで何が問題かという問いに、その男性は「すべてだ。中でも水だ。」という。政府が時々、給水に来るそうたが、まったく足りていない。今後の事を聞くと、しばしの沈黙の後、「新しい家を建てたいが、まったく分からない」とだけ答えた。(吉椿雅道)