インドネシア・スラウェシ島地震津波の被災地に入った吉椿雅道CODE事務局長より現地レポートが届きました。今回の派遣に同行していただいているラーマットさんは建築家としての視点から被災地の支援を続けています。ぜひご一読ください。
[現地レポート]
2006年のジャワ島中部地震以降、CODEのカウンターパートとして協働させて頂いているエコ・プラワットさん(建築家・デュタワチャナキリスト教大学教授)には、ロンボク島地震の被災地での調査にも同行いただき、今回のスラウェシ島での調査でも、建築家仲間のラーマットさんをご紹介いただいた。
ラーマットさんは、自分の仕事場であるスタジオを拠点に被災地支援を行っている。スタジオには、グラフィックデザイナーなどスタッフやパルの大学で社会政策を教える教師、ジャカルタやマカッサルなどで建築や芸術を学ぶ大学生たちがボランティアとして支援活動に参加している。
政府は、2万3000棟の仮設住宅を建設すると発表しているが、ラーマットさんは、圧倒的に足りないと言う。自宅が倒壊していなくても、建物が大丈夫なのか不安で、夜寝るのが怖いという人も多く、テントや簡易の小屋で過ごしている人も少なくないそうだ。
ラーマットさんたちは、被災地のTompe(震源地)、Wani、Sibalaya、Biromaruの4ヶ所で仮設住宅の建設プロジェクトを行っている。
中スラウェシ州の山間部に今も残るTambiと呼ばれる伝統建築で、木や竹を藤のツルなどで縛って組み合わせた三角形の家で、主に山地民族カイリ族の人たちが継承してきた伝統様式のようだ。エコさんたち同様にラーマットさん達、インドネシアの建築家やアーティストたちがいかに伝統を重んじているかが分かる。(吉椿雅道)
写真:液状化したバラロア地区
スラウェシの伝統建築Tambi