インドネシア・スラウェシ島地震津波救援ニュース No.19

インドネシア・スラウェシ島地震津波の被災地に入った吉椿雅道CODE事務局長より現地レポートが届きました。ぜひご一読ください。

[現地レポート]
スラウェシ島中スラウェシ州最大の町、パル(人口約35万人)に入った。
市街地は一見しただけでは、何事もなかったかのような気さえするが、中心部を抜け、海岸線に出ると、一面何もないエリアが広がる。よく見ると細々したガレキや横転したコンテナやトラックであることに気づく。津波によってほとんどすべてが流され、元々何があったかさえ分からない。
パル在住の建築家ラーマットさん(CODEのカウンターパートであるエコ・プラワットさんの友人)たちの案内で、バイクでパル市内を見渡せる高台を走った。10分程度走ると、それは突然姿を表した。土地をすべてひっくり返したようにガレキが散乱している、バラロア地区だ。ここは、地震によって大規模な液状化を引き起こし、地盤沈下で大地がひっくり返えったような状態になっている。聞くと「5から10メートルほど下がった」、「未だ数千人が埋まったままだ」という。液状化した地区の中に入ってみると、その被害が如何に甚大であるかがわかった。道や家がデコボコな状態で、あちらこちらに水溜りや水流がある。昨晩の雨のせいか水没している家もある。あたり一面からからヘドロのような悪臭が漂う。地震が起きたのが夕刻だった事から火事も発生したという。
そんな中、沢山の人がガレキの中で何かを掘り起こしている。聞くと、鉄筋など使える資材を拾う業者らしき人もいれば、自宅から写真などの思い出を探している人もいる。
1980代頃から始まった宅地開発以前、このエリアは農地だったそうだ。「これらの水は地下から出ている」という言葉が被害の深刻さや復興の困難さを表している。(吉椿雅道)

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