世界で猛威をふるう新型コロナウイルス感染症(COVID19)は、依然として収束の兆しを見せていません。
米・ジョンズホプキンス大学の集計によると、8/25現在、世界全体の感染者数は2364万7377人、死者は81万3022人となっており、累計感染者数は、アメリカ約574万人、ブラジル約362万人、インド約316万人、ロシア約96万人、南アフリカ約61万人、ペルー約59万人、メキシコ約56万人、コロンビア約55万人、チリ約40万人となっています。
日本同様に、第1波以降、減少傾向にあったヨーロッパ、アジアなどでも第2波によって再びロックダウンなどの規制が実施されて始めています。
中国の後に爆発的な感染地となったヨーロッパでは、スペイン、フランス、ドイツなどで感染者が再び増加しており、スペインでは、7月下旬の1週間で1万人以上の感染が確認されており、バルセロナのあるカタルーニャ州では外出禁止令やナイトクラブの閉鎖命令が発令、北西部ガリシア州では一部移動規制も始まっています。この両州の一部地域ではロックダウンが再開されています。スペインは、夏の行楽シーズンでEU諸国に国境を開放したばかりでした。ヨーロッパでは、経済への影響からロックダウンは以前のような大規模なものではなく、一部地域に限定していくようです。
一方、アジア・オセアニアでも、第1波の封じ込めに成功したと言われるオーストラリアやベトナムでも、再び感染者が増加しています。アジアで台湾に次いでコロナ対策の優等生であったベトナムでも、中部ダナンで3か月ぶりに感染者が確認され、国内初の死者も出て緊張感が高まっています。
オーストラリアでは、第2波によって感染が増加していることからビクトリア州とニューサウスウェールズ州の州境の封鎖を開始しました。人口500万人の第2の都市メルボルンでは、感染者が1日で700人以上出たことから外出禁止などの実質的なロックダウンを再開しています。
現在、冬を迎えているオーストラリアやニュージーランドのような南半球の国々での感染の動向を世界の疫学者が注視しています。自国ファーストにならずに世界に目を向けることは、結果的に日本に還ってきます。(吉椿)