昨日22日の朝日新聞に、40年前にアフガニスタンから隣国パキスタン・イスラマバードに難民として避難したアフガニスタン人のことが紹介されていた。同紙によると、難民生活は劣悪だが、その中で「第2世代、第3世代も育っている」と。「パキスタンで登録されているアフガニスタン難民は、世界で最も多い約140万人。実際にはその倍ほどの人たちが滞在しているとみられる」と続く。
CODEがサポートしているF・Lさん家族は、国外退避を望んでいるものの、パスポートを持っているのは12人のうち2人だけ。最近タリバンは、「申請すれば誰でもパスポートを持つことができる」と言っているのだが、何故国外に出るのかなど理由を聞かれることによって、身の危険を感じる人たちも多いだろうと思われる。そもそもパスポートがなければ、「難民」として国外脱出をするわけで、それはリスクが伴うことなので相当な覚悟が必要だ。
私がはじめてアフガニスタンに行った時に、イスラマバードを経てアフガニスタンに入ったのだが、少しの時間この難民キャンプを案内してくれた。日本にいてテレビなどで知る難民キャンプというと、ちょっとした風が吹いても飛んでしまうようなテント生活が印象的で、地震や水害のあとのキャンプも同じようにテント生活のケースが多いイメージがあったのだが、土を練って固めたアドべという建物が基本的な住まいで、電気も水もなく衛生環境など最悪な状態だが、アドべがならんだ結構広い“町”のようだった。キャンプの中には、小さな小屋が立っていて子どもたちはそこで学んでいた。でもおそらくキャンプの中でも学校にもいけない貧しい家庭も多かったように思う。キャンプには、モスクもある。同紙には、モスクの前でコーランを学んでいる子どもの写真も掲載されている。
おそらくタリバンが暫定政権となってから、パキスタン側に国外退避をした人たちの中には、しばらくこの難民キャンプに忍び込む者も少なくないだろう。アフガニスタンさえ出ることができれば、そうした一時しのぎができる場所があるということは、国外退避を望む人たちにとっては、一時の安堵の場でもあるのだろうか?
同紙に紹介されていた40年以上難民として生きてきた70歳くらいの方は、「ふるさとを夢見ない日は一日たりともありません。ずっとこんな生活を続けるなんて、哀れとしか言いようがない」と語っている。
(CODE事務局:アフガニスタン 担当 村井雅清)
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