アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—19

今朝、NHK TVから流れてきたのは、「タリバンがアフガニスタンの暫定政権の新閣僚を発表した。しかし、女性閣僚はいない」というニュースだ。しかも、主要ポストには、米国の制裁対象になっている「ハッカーニ・ネットワーク」も入閣していると。報道官は、まだ追加閣僚の検討に入っているとも。
一方で、連日のように女性が多く参加した市民デモが行われており、昨日は約500人に膨れ上がり、デモが大規模化していることが覗える。心配だ。

さて、CODEは2003年からぶどう農家の再生支援を始めたことはすでにお伝えしたが、この時には同時に首都カブールで「女性の自立支援」も掲げて、女性センターの支援も行った。この頃は、各国のNGOや国際機関が多数、カブールに入り同じく女性支援を行っていた。しかし、CODEはぶどう農家の再生に資金を投入していたので、女性センターに支援すると言っても資金がなく、建物の一部増築や寒かったのでストーブを提供しただけだった。他の地域でドイツのNGOが、女性の生計向上を目指し、大量のミシンを提供して、縫製技術の普及に努めていたのを、恨めしそうに見ていたのを思いだした。
ビックリしたのは、難民キャンプで英語を勉強した中学生が先生になって、生徒に教えていたことだ。生徒と言っても、10代から40代という幅広い女性を対象にしていて、とにかく学んでいる誰もの目が輝いていたのが忘れられない。
こうした女性の学ぶ姿勢を思い出すと、今回のタリバンの政権奪取で掲げる女性の社会参加に対する消極的姿勢は、ほんとうに残念なことだ。イスラム教の教義とは言え、長い目で見てもタリバンにとっては大きな損失だ。私の目に焼き付いている女性のあの輝かしい目は、社会の財産だ。

アフガニスタンやパキスタンの地域研究を専門とする登利谷正人講師(東京外国語大学)は、昨日の毎日新聞夕刊のインタビュー記事で「国際社会は緊急援助だけではなく、長い目でどう支援するかを考えて欲しい。女性や少数派の権利は普遍的な価値だと思うが、即座に変えようとすると必ず反発が起きて混乱する。タリバンを含め、アフガン社会全体で受け入れ可能な形で、社会を少しずつ変えていくための方策を考え、長期的な支援をしていくべきだ」と提言している。紛争時の“一時停戦”ではないが、女性に暴力を働くことや、むやみに拘束することを即座に止め、根気よく対話を続けるテーブルをタリバンが用意して欲しい。暴力に訴えても、何も解決して来なかったという辛い経験は、この40年間にわたって体験してきたことではなかったのか・・・・・?
タリバン政権は、人道支援をしているNGOの行動を妨げないとも言っている。女性が自由に、社会参画をするということは、人道支援でもある筈だ。身体を張って“社会的弱者”を守っているのは、いつも女性だからだ。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

1 thought on “アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—19

  1. 澤登早苗

    村井さん、ご無沙汰ばかりですみません。アフガニスタンの情勢を知らせるニュースを聞き、ショックを受けながら、15年前にお会いした皆さんの安否を心配しています。こちらもブドウの収穫期に入り、CODEのホームページの確認もできていなったので、9日にプロジェクトの話がなされたことを今知りました。何かできることがありましたら是非、協力させて下さい。

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