<CBOに大きな期待がかかる>
実は、ここワード13地区には、地震前から行っていた地滑り対策としての、自治組織としてCBO(住民組織)が組織されていた。CBOのリーダーは、ムザファラバードではちょっとした有名なサッカープレーヤーだったそうだ。聞かされなければ、全く地味で、静かな人で、想像がつかないほどである。CBOは15人のメンバーで構成されており、1ヶ月間ほどJICA緊急調査の社会開発調査の一環として「ガレキ撤去プロジェクト」を担ったそうだ。それをきっかけにCRCという復興委員会もできた。住民主体の復興の担い手になろうと頑張っているが、とにかく政府の復興計画が提示されないため、イライラもピークにさしかかっている。
別の山間部の話しだが、政府が住宅再建のために出している資金も、まちまちのようで、そのためにコミュニティが分裂したところもあるそうだ。一体どうなっているのだろうか、疑問が募るばかりである。聞くところによると、政府内に新しく震災後の再建体制が敷かれたために、お互いの調整が上手く行っていないという指摘もある。その間、テントで暮らしている被災者はどうなるのか、最低限の応急対応が急がれるのではないだろうか?しかし、震災後10ヶ月も経って、まだ大規模にテント生活を余儀なくされているという実態はこれまでにはあまりない姿である。厳しい将来が予想されるが、CBOには大きな期待がかかっている。