No.20-ウクライナ編⑫「身内のいないウクライナ親子」

「疲れたあ」と開口一番に言うVさん。
二週間ぶりに会ったらVさんは疲れていました。「今日仕事場で子どもたちをサマーキャンプに連れて行ってたから朝早かったの」と。「それに….昨日の夜の雨が凄くて、夜中に何度も目が覚めて眠れなかったわ」と言葉を続けます。
先日、兵庫県では観測史上3番目の雨量の雨(6時間雨量は観測史上最大)が降り、大雨警報が発令されました。
近年の大雨や湿気の多い日本の気候は、雨もそれほど降らず乾燥しているウクライナの避難者にとっては想像以上につらいようで、ウクライナの方々に会うたびに「暑い」といいます。

神戸市内では、ウクライナの方々がまとまって住んでいる地域もありますが、Vさんの住んでいる地域にウクライナ人や日本人の知り合いはいません。
なぜここで住む事になったのかを問うと、「幼稚園の仕事や娘の学校が先に決まったから、その近くの公営住宅がいいと思って…」と寂しそうに語ります。
「今度、交流会をやるから、その日は、空いてる?」と聞くと、Vさんは「全く予定なんてないから空いてるわよ」と笑っていいます。
知り合いもなく、毎日仕事と娘の育児のみに追われているVさんは、会うたびに疲れていっているように見えます。
多くのウクライナの避難者は、身内を頼って来日していますが、Vさんのように身内もなく、友達の紹介のみで来日した人もいます。
(吉椿)

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