1月15日にトンガ沖で発生した火山噴火から間もなく1か月になります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりロックダウンが続いているトンガですが、10日には新たに31名の感染者が確認され、現在、推計感染者数は65名になっています。
このロックダウンにより、買い物などの外出も週2日に限られ、復旧作業も進まないとの被災者の声が上がっています。
津波や火山灰の被害を受けた農家は1万2000世帯(WFP:世界食糧計画発表)、家畜を飼育している世帯の約7割が被災しているとの情報もあるように、農業、漁業、畜産業に深刻な影響が出ています。
トンガの経済は、農漁業、観光業、ニュージーランドなど海外からの送金などで成り立っており、主要産業である農漁業はGDPの2割を占め、農産品の輸出は全輸出の7割を占めています。
トンガは、日本へもカボチャやマグロを輸出しており、中でもカボチャは日本の種で作られ、そのほとんどは日本に輸出されています。
トンガ本島トンガタプ島で農業の生産、輸出を営む日系3世のNさんは、以下のように話してくれました。
「作物を育てている農場はすべて被害をうけている。新鮮な野菜は、灰による被害で市場にほとんど出回っていない。キャベツやレタス、トマトなどの緑黄色野菜が供給されるまで3か月はかかるだろう。ニュージーランドからの新鮮な野菜のコンテナ便を購入できるかどうか政府の決断にかかっている」また、「灰を除去するにも水や掃除道具が不足しているので難しい」とも語っています。
Nさんは、100ha以上の畑で野菜や果物を生産し、契約農家さんたちと共にトンガの農作物を日本や韓国に輸出しています。そして、最後にNさんは、「日本から私たちトンガ人のための親切で温かい気持ちに感謝しています」と言っていました。
(吉椿)
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