「中国・台湾の現状から学ぶ!!」
先日3月9日に、大阪大学の未来共創センター・災害ボランティアラボとCODEが共催し、新型コロナウイルスについて、中国、台湾、日本の取り組みを学ぶ学習会を行いました。
日本からは、災害ボランティアラボでこれまでやってきた学習会の内容や、日本のNGOの支援状況、中国との連携の経緯と状況について報告されました。
中国からは、CODEのカウンターパートである張国遠さんらが立ち上げたボランティアネットワークCEER(Civil Engagement in Emergency Rescue)の支援活動や、現在武漢で起きている問題について紹介されました。CEERは約700名が参加するネットワークで、オンラインでの情報交換や支援のマッチングなどを行っています。一方、被災地武漢では、現地の人たちが支援物資配布やニーズの発信などに奮闘しており、最前線で活動するのは地元の人であるべきだとの指摘がされました。また、湖北省では隔離家族の孤独死や餓死が発生し、特に独居の高齢者や子ども、障害者、貧困層が厳しい状況にあること、回復した患者への差別が起きており、コミュニティの力が重要であることも報告されました。
台湾からは、政府の対応や情報発信、マスク対策などについて報告がありました。マスクマップ(マスク在庫の見える化)などの対策は、市民の安心感につながっているそうです。また、台湾は国際的に孤立している(WHOから除外)という背景があるため、むしろ独自の情報収集や対策をとることができ、国内の結束が強いという点も指摘されました。
中国や台湾の動きに対して、会場からは「日本では、感染症のことは専門家で対応することで、市民が何かをするという感覚があまりない。災害とすら思っていない人が多いのではないか」という指摘がありました。
日本では、イベント自粛や一斉休校という事態になってから、様々な助け合いの動きが出てきたように思います。目に見える、あるいは身近な誰かのためだから頑張れる。逆に言えば、誰かが困っているということが表に見えてこないと、なかなか人は動かない。この状況で困っているのは誰なのか、私たちはもっと想像力を働かせなければいけないと感じました。(立部)