中国新型肺炎救援ニュースNo.9

「武漢の状況④」 
 新型肺炎の感染源である湖北省武漢市では、現在、約29,000人の方が入院していますが、少しずつ病床に余裕が出てきているようです。また武漢市内のある病院も最後の患者34人の治療を終え、隔離施設などへ転院した後、しばらく休院するとのことです。大学が30以上ある武漢では、最近オンライン授業が開始されたり、市内の一部ではデリバリーの出来るファーストフード店なども営業を再開し始めたようです。 
 武漢の住民の多くは、「社区」(マンション単位の社区も多い)と呼ばれるコミュニティーに属しており、社区の入り口では住民のボランティアが体温チェックなど感染拡大に配慮しています。また、最低限の食糧品などはその社区の管理人がまとめてネットなどで購入し、濃厚接触しないようにグループに分けて配っているそうです。
 神戸在住の中国人留学生Aさんの家族は湖北省武漢に住んでいます。Aさんは、以下のように武漢の状況を教えてくれました。「武漢はまだ厳しい状況で、町は閉鎖した状態で管理されています。現在、スーパーマーケットや薬局は個人への商品の販売は停止しており、地区ごとのグループ購入のシステムでしか購入することはできず、人の動きは減っています。とりあえずの私の家族の地区は物資確保の状況は問題なく、肉類、野菜類、フルーツはグループ購入できます。現在、基本的には地区の責任者とボランティアが一緒に地区の住民に野菜などを配達するという状況です。」 
 閉鎖された武漢では、状況はまだ厳しいものの、コミュニティーで力を合わせ、助け合いながらこの難局を乗り切ろうとしています。(吉椿)

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