朝日新聞2021年10月19日付けのオピニオン&フォーラムで「アフガンに選択肢を」というインタビュー記事があった。見出しに「現地の軍閥解体へ 武装解除に奔走 治安悪化し『挫折』」という見出しが気になった。認定NPO法人「REALs」理事長 瀬谷ルミ子さんの話だ。「イスラム主義勢力タリバンがアフガニスタンで再び権力を握った。同国でかつて武装解除(DDR)活動を担った一人が、紛争地支援の専門家」(同紙)が彼女。外務省から「アフガニスタンの武装解除に協力してほしい」と要請されたようだ。2003年から2年間、赴任された。同紙によると「政府の一員として米国などが敷くレールの上で働くことに抵抗感はありました。でもそれまで平和国家と言われながらも『お金を出すだけ』というイメージの強かった日本政府が、紛争解決に取り組もうとしていた。ならば自分も貢献しようと思いました」(同紙)。でも「自分は本当に現地の人々のニーズに応えられているいるのだろうかという疑問がぬぐえなかった」「私たちが活動する間にも現地の治安はみるみる悪化していき、追い払われたはずのタリバンが復活し始めました」「このまま武装解除を進めることはアフガニスタンの不安定化につながるのではないかと私は思いました。しかし、加速した武装解除の流れは止められませんでした。和平プロセスのレール自体を変える方法は、いくら考えても、私の力では思いつけなかった」(同紙)と挫折を吐露されている。
インタビュアーの「アフガニスタンでの挫折経験は、瀬谷さんの紛争地支援をどう変えたのでしょう」という質問に、彼女は「支援する側の事情や考えを現地の人に押し付けるのではなく、現地の人たち自身が解決の主体になれるような支援をしたいと強く思いました」と応えられている。(是非同紙全文を読んで下さい。)
CODEは、阪神・淡路大震災をきっかけに発足したNGOである。2002年にアフガニスタン支援を始めてから、この瀬谷さんの言われる「支援する側の事情や考えを現地の人に押し付けるのではなく、現地の人たち自身が解決の主体になれるような支援をしたいと強く思いました」という支援の論と同じことを考え続けて行動してきた。それは阪神・淡路大震災で、「災害からの復興は市民主体だ」という思想を醸成してきたからだと、いま、あらためて強く思う。
ただ、8月にタリバンが暫定政権と宣言して以来、F・Lさん家族が国外退避を望んだとき以来、CODEはどう対応するのか本当に難しい、悩む。最も望むことは、なんとか治安が安定し、今まで通り、恐怖や不安を感じることのない暮らしを営まれることだと思う。しかし、今、その暮らしが脅かされているのも厳しい現実だ。何があっても人道支援を優先することはいうまでもないが・・・。
(CODE事務局:アフガニスタン 担当 村井雅清)
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