アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—34

9日10日、アメリカは8月30日のアフガン駐留米軍撤退後、カタールの首都ドーハで初めてタリバン暫定政権幹部と今後の支援について交渉した。
イギリスも「アフガンの人道危機への対応を英国がどのように支援できるかや、アフガンがテロリストの温床となる事態を回避することの重要性、出国希望者に引き続き安全な通行を提供する必要性について協議した。また、少数民族の扱いや女性・女子の権利も取り上げた」(10/6(水) 12:21 ロイター配信)と。

一方、G20緊急首脳会議も開かれ、「イスラム主義組織タリバンがアフガニスタンで実権を握って以降、主要国の首脳級がそろって議論するのは初めてです。会議では、人道支援が緊急かつ必要不可欠なこと、女性や少数民族を含む全てのアフガニスタン人の人権が尊重されるべきであること、アフガニスタンがテロの温床になってはならないこと、などが確認されました」「就任後初の国際会議参加となった岸田総理は、日本としておよそ71億円の新規支援を含む220億円規模の支援を今年中に実施すると表明しました」(10/13(水) 5:53 JNN配信)

10/13(水) 11:01配信 BBC Newsによると同G20会議で「ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、アフガニスタンを『大混乱に陥らせて』はいけないと述べ、ドイツが6億ユーロを拠出すると改めて表明した。メルケル氏は新政権が発足次第、政界を引退するとしている」「欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、アフガニスタンと難民を受け入れている近隣諸国に10億ユーロ(約1300億円)を提供すると約束した。国連は世界各国の指導者に対し、アフガニスタン経済に数十億ドルを投入するよう求めている」と報じている。

タリバン暫定政権はこれらの交渉を受けて、概ね上手く行ったという評価をしている。各々双方の思惑のずれがあると思われるが、アフガニスタンにおける経済的、人道的危機の現実に目を向けると、「何が上手く行ったのか?」疑問を抱かざるを得ない。

他方、学識者はタリバンとの対話の重要性を強調している。今朝13日の朝日新聞オピニオンでも3人の識者が対話について論じている。私もこのレポートで何度か対話の重要性を主張してきた。しかし、正直対話って凄く難しい。多様性を理解するには対話をともよく言われるが・・・・?

10月2日付け毎日新聞の「つながり紡いで」というシリーズで吉田敦彦大阪府立大学教授が“異質な他者との対話”というテーマで、「対話の哲学者」といわれたマルティン・ブーバー(1878~1965、ユダヤ人)のことを紹介している。ドイツに「ブーバーハウス」と呼ばれ、今は「キリスト教徒とユダヤ人の国際評議会」(ICCJ)の拠点があり、近年はイスラム教徒も含めた三者が対話する国際カンファレンスを定期的に開いている」と。
今、タリバン暫定政権と交渉を始めた関係国の代表者は、是非一度このブーバーハウスを訪れて欲しいと切に願う。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

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