月別アーカイブ: 2021年8月

アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—2

現地のカウンターパートナーからの音信がなく、大変心配していましたが、19日彼から「私は無事です。ありがとう ご存知のように、タリバンは現在、すべてのアフガニスタンの都市を支配しています。人々は陸路や空路で逃げようとしています。今はほとんどの人が家に閉じ籠っています。私たちは、とても落ち込んでおり、20年前に戻ったようで将来への糸口が見えません。」という返事が届きました。とにかく無事だということで「ホッ!」としています。
早速前回のメッセージを配信したところ、たくさんの人からレーズンの注文が入りました。お願いしておきながら、大変ご迷惑をおかけしますが、今在庫にある10㎏がなくなれば、次にいつ入荷できるかは分かりません。どうかご容赦下さい。
さて、連日マスコミではタリバンによる「(自称)アフガニスタン・イスラム首長国」の今後について報道されていますが、それぞれの思惑が見え隠れするものの、誰もがアフガニスタンに平和がもたらせることを願っていると、信じたいものです。
ただ、この20年間「大失敗」してきた国々が、「あ~だ、こ~だ」ということには、違和感を感じます。EUがいち早く「タリバンと協議をする。そのために担当者も派遣する。」と表明したように、せめて、相手の顔を見て、膝を突き合わせて、真剣に「協議」すべきではないでしょうか?
一方で、首都カブールはじめ東部ジャララバード、東部アサダバードなどで、市民がタリバン政権に反対するデモが行われています。唯一タリバンに制圧されていない北東部パンジシール州に、崩壊したガニ政権を支えていたアムルラ・サーレ第一副大統領が戻り、2001年に崩壊した旧タリバン政権に抵抗し暗殺された国民的英雄マスード司令官の息子アフマド・マスードに「大統領が不在になった場合は、憲法上、第一副大統領が暫定大統領になる」と宣言し、アフマド・マスードらはタリバンへの報復を呼びかけているようです。
最悪のシナリオとして、26年前のように北部同盟とタリバンとの激しい衝突(1996~2001)の可能性を否定できなくなったことです。私たちが輸入しているレーズンは、このパンジシール峡谷の南側に位置するショマリ平原のものなのです。
もちろん衝突が起きればかなりの影響を受けることは間違いないのです。今は、最悪の事態にならないことを祈るしかありません。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

*レーズンのご購入はこちらから:

☆救援募金にご協力下さい
郵便振替:00930-0-330579 加入者名:CODE
*通信欄に支援先を明記してください。(例:「アフガニスタン」)
*募金全体の25%を上限として事務局運営・管理費に充てさせていただきます。
*クレジットカードをご利用の方はこちらのページからご寄付いただけます。

アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—1

混沌とするアフガニスタンですが、CODEのカウンターパートの方の安否が不明でしたが、昨晩、無事が確認され、ホッとしています。以下、アフガニスタン支援に長くかかわってきている村井雅清CODE理事(前事務局長)からです。

<アフガニスタンからの贈り物に感謝!!—1>
20年前の10月8日(「9・11」の約1か月後)、米英軍によるアフガニスタンへの空爆が開始されるというニュースを受けて、CODEと同居する被災地NGO恊働センターが「空爆反対」を呼びかけ、私は100時間断食に入り、スタッフはリレー断食に入りました。この呼びかけに全国の多くの方が賛同して下さいました。
この呼びかけに対して、阪神・淡路大震災(1995)の被災地に住む詩人の一人が、「NGOから反戦市民投票を呼びかけるメールが入った。神戸では、震災時のボランティアが発展してNGOとなった例は多いのだが、戦争を起こさないことは最大の防災であると、平和運動と連携しつつある。」とご自分が投稿された同人誌に書いて下さいました。この時以来確信を以って、戦争をなくすことと、災害からの被害をなくすことの思想は、「かけがえのないいのちは大切だ!」という地下茎で繋がっていると考え続けてきました。
加えて、阪神・淡路大震災という大規模な自然災害を受けたKOBE(神戸市という意味ではなく広く被災地のこと)の地の復興を考えるときも、アフガニスタンのような紛争地の復興を考えるときも、根本は「復興の主体は被災者(当事者)主体」ということを忘れてはならないと言い続けてきました。18日にCODEが配信したメッセージの中で「この機にアフガニスタンの人々をまず尊重し、アフガニスタンの人々の手で民主化を成し遂げ、国際社会
から信頼を得るための、サポートをすることを優先する必要があるだろう。あくまでもアフガニスタンの人々に平和をもたらすべき、地球市民として何をすべきなのかを、一人ひとりがしっかり考えなければならない。」と書き込んだのは、先述した地下茎がそうさせたのでしょう。
2002年に初めてアフガニスタンに行き、いのちがけでアフガニスタンの復興に取り組む人々の暮らしを支えることが、私たちにできることではないかと決意しました。ある日現地の方の案内で、紛争により焼き尽くされた真っ黒こげになったぶどう畑を見て、愕然としました。「ヨシ!ここを再生するプロジェクトを立ち上げよう」と、CODEは2003年以降、ぶどう農家を支援し続けて来ました。2007年から2009年まで日本で学んだ有機・不耕起栽培の教えに基づき、レーズンを加工し、CODEが輸入してネット販売をしています。標題にある「アフガニスタンからの贈り物」というのは、このレーズンのことです。20年間のアフガニスタンとの交流から生まれた「レーズン」を購入して、ささやかながらぶどう農家を支え続けたいと思います。しかし、先日来このプロジェクトの現地担当者との交信が途絶えたままなので大変心配しています。(*昨晩無事が確認できました。)
そこでこのような事態になる前に輸入していたレーズンの在庫10㎏がありますので、是非購入して頂いて、アフガニスタンの再生に少しでもお役にたつことに、ご一緒しませんか?購入はCODEに問い合わせてください。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)

*レーズンの購入はこちらから:

アフガニスタンに平和がもたらされることを願うメッセージ

8月15日、国際社会に大きな衝撃が走った。アフガニスタンのガニ政権が崩壊し、20年ぶりにタリバンがアフガニスタン全土を制圧し、「アフガニスタン・イスラム首長国」樹立を宣言したのだ。2001年の米同時多発テロ後、米英軍による攻撃で当時のタリバン政権が陥落したが、日本も含む、この20年間の米英を始めとした各国のアフガニスタンへの介入が失敗したことになる。
1994年、イスラム教を学ぶ神学生を中心に組織されたタリバンは、イスラムの原理的な教えにより、以来アルコールや音楽などを禁止し、女性の教育機会を保障しないなど正当な権利を奪って来たが、今回の政権奪還を機に、国民の信頼を得るためにも、タリバン幹部は「国民の期待に応え、さまざまな課題に取り組む」「人権を尊重し、言論の自由も保障する」などとのメッセージを発信している。
17日のマスコミ各紙の論調の中には、2001年以降のアメリカの歴代大統領のアフガニスタン対策の迷走をして非難しているが、
完全ではないにしろ、ほぼ“無血開城”となったタリバン政権の今後を見守ることがもっとも大事なことではないか。日本政府も、アメリカに追随してきた反省を迫れており、今後の対応が注目されるが、この機にアフガニスタンの人々をまず尊重し、アフガニスタンの人々の手で民主化を成し遂げ、国際社会から信頼を得るための、サポートをすることを優先する必要があるだろう。
あくまでもアフガニスタンの人々に平和をもたらすべき、地球市民として何をすべきなのかを、一人ひとりがしっかり考えなければならない。
さて、CODE海外災害援助市民センターは、26年前の阪神・淡路大震災をきっかけに発足したNGO(非政府組織)であり、「困った時はお互い様」「最後の一人までを救う」「個の尊重」を掲げて、主として海外における災害救援活動を展開してきた。
2001年の「9・11」以来、CODEは、長期にわたる紛争により壊滅的被害を受けたカブール北部のミールバチャコット地域のぶどう農家を支援してきた。JICAの事業に採択され、同地区の農家を2007年~2009年の3年間、山梨で有機農法でぶどう栽培をしている農家に招聘して、有機・不耕起栽培を学んだ。その後同地でのぶどう栽培に取り組んだ農家から有機栽培によるレーズンを輸入し、日本国内においてCODEが販売を担ってきた。
しかし、この度の政変によりレーズンの輸入の見通しが立たず、アフガニスタン支援の道が絶たれる可能性が出て来た。何とかレーズンの販売を通してアフガニスタン支援を継続できないかと願っているが、しばらくは静観するしかない状況である。
今後、アフガニスタンがどのような国によみがえるのかは静観するしかないが、これからもCODEのアフガニスタン支援プロジェクトにご協力をお願いします。
(CODE事務局:アフガニスタン担当 村井雅清)