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第 3 次パキスタン訪問日記No.4


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<一応鉄筋コンクリートなのに?>
 イランやアフガニスタンによくある泥を日干しで固めただけの「アドベ住宅」と[違って、今回の倒壊住宅は、一応鉄筋とセメントを使ったいわゆるRC構造なのだが、どうしてこれほどまでに脆くも壊れてしまうのか?耐震性の欠如なのか。これまでも、モスリムの国の被災地を見てきたが、被害の大きい場合でもモスクは比較的壊れずに残っているケースが多い。しかし、今回はある意味住民が最も利用するモスクが多く壊れている。マグニチュード7.6と発表されているが、もともと地滑りが多いことを考えると地盤の問題なのか?


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 「何故モスクは壊れたの?」と聞いたら、「1971年以降に建てられたものは建築基準が曖昧なので壊れた」という説明だ。阪神・淡路大震災の時は、1981年以前の老朽家屋が多く壊れたのだが・・・・。でも、あの時も日本の伝統的な在来工法による木造建築の家は、多くは壊れていないという調査結果もあるので、ありうるかと思い、「この地の伝統的な建物はないか?」と聞いたら、ムザファラバードにはないとのこと。一部ジーラム川沿いの集落で、60年ほど前からカシミール地方から移り住んで来たところがあったが、今はレンガやブロック塀のトタン屋根で、昔は木材を使用していたらしい。何かの資料で見たが、確かパキスタンでも北西辺境州の最も北部の辺りでは、見事な木造建築があったようだ。果たして、耐震性が満たされても鉄筋とコンクリート仕様に頼るだけでいいのだろうか?地域の資源を循環させ、環境に配慮するならば木材使用を見直してもいいのではないだろうか?