第 3 次パキスタン訪問日記No.9

<前途多難だが・・・・>
実際にこうした仮設市街地構想が、都市の中心街の一画を対象に検討されるのは初めてのことだろう。ワード13では、これからの災害後のくらし再建における注目すべき、第一歩を踏みだしている。暫定的な生活の場における不自由さをどこまで耐えられるかが最大の課題である。今年の5月27日に地震のあったジャワ中部では、一部の村では「ミニ仮設市街地構想」が始められている。といっても。この村の発案者は、先の研究会の構想を知っていた訳ではない。たまたま、再建をする上で、経済的理由から、仮設→恒久住宅と行かないことがきっかけとなる。地域の資源を使い、地域の人材で再建するという自然の成り行きが、功を奏している。
インドネシア・ジャワの場合は、ミニ版ではあるが、ゴトンロヨンという相互扶助のしくみが定着しているため、実現しやすいが、こちらパキスタンではどうだろうか?パキスタンの被災地でも、このように地域の建築資材と人材によって、ローコストのまず一時シェルターが造られることが望ましいのだが。ある山間部の集落では、政府の配布する住宅再建資金をめぐってもめごとがおき、これまでのコミュニティがバラバラになったという話も聞く。本来モスリムにある助けあいの仕組みに期待したい。