ミャンマー・サイクロン被災者支援ニュースNo.26

医療ケアを必要としている被災者の中でも高齢者の比率は高く、医療機関へのア
クセスが困難なことや、多くを失った喪失感などの困難を抱えていることが伝え
られています。伝統的な埋葬や追悼を行うことができないことが高齢者の大きな
心の重みとなっていることは、今後の復興プロセスにおいて1つの重要な要素と
なるのではないかと思います。
<以下はCODE翻訳ボランティアさんからのものです。>
情報源:HelpAge International
日付:2008.6.11
       「ミャンマーの高齢者に対する極めて重要な医療支援の提供」
HelpAge International(注1)と地元パートナーのYMCAは、高齢のサイクロン
被災者に医療的ケアを提供している。Mobile Medical Unit(移動医療隊)はエ
ヤラワディデルタのKyaik Lat郡区からやって来た5,000人の診察をした。患者の
症状は、下痢、急性呼吸器感染症、皮膚病、眼病、心的外傷、そしてそのほかの
けがなどである。これらの健康の危険は衛生状態の悪さと汚染された水によって
増加する。医療スタッフが見たところ、患者の40%が高齢者であった。
「われわれの移動医療隊が診察した中で高い割合を占める高齢者は健康問題に直
面しており、必要とする医療を受けるために長距離をやってくるエネルギーと機
動力がないことがしばしばである。関節炎やリューマチのような高齢に伴う健康
状態には特別な治療が必要である。これらの移動医療隊は多くの高齢者にとって、
健康ケアを提供してくれる唯一の手段となっている。我々は、被災地のより奥へ
入って行って、老人や弱い人々に会うことを望んでいる。地元でのNGOの活動に
対する国連の協力組織であるHealth Cluster(注2)と連絡を取り合い、より拡
大した支援の努力において高齢者の健康に対するニーズが認識されるようにした
い。」とHelpAge Internationalの緊急援助マネージャーのBill Grayは言った
Kyaik Latからの最初の調査では、家族や家や生計を失ったことによる心的外傷
にうまく対処する心理学的なサポートが高齢者のあいだで特に必要であると強調
していた。現在の状況においては、伝統的な埋葬や追悼のプロセスを行うことが
できないことが、この状態をいっそうひどくしていた。
HelpAge InternationalとYMCAのボランティアは米や衣服を含む救援物資をKyaik
Latとその隣のMaubin郡区の1万人以上の人たちに届けた。彼らはすでに2つの学
校の屋根を修繕して避難所として使っていた。
ヤンゴン管区ではHelpAge KoreaとYMCAが5年以上にわたって家庭援助プログ
ラムを行ってきた。このプログラムに参加している高齢者は、家を再建するため
の基本的な物資と材料を買うための136米ドルの送金をそれぞれ受け取った。
HelpAge Internationalは支援活動に対する基金を積み立ててきたHelp the Aged
(注3)というパートナーに支えられている。      
(注1)HelpAge International イギリス(ロンドン)拠点、高齢者支援団体
(1983年~)
(注2)Health Cluster    WHO指揮下で実働する30以上の国際人道保健団
体の集まり
(注3)Help the Aged    イギリス(ロンドン)拠点 高齢者支援団体
(1961年~)