前回に続くセーブ・ザ・チルドレンとユニセフの活動レポートです。貧困など家庭の事情よって
子どもが学校に通いにくいという状況が伝えられています。なかなか難しいこ
とかもしれませんが、この度の災害を機に子どもへの教育、また今回の災害
の経験を共有し、大人も共に学び、その教訓を次の世代に語り継いでいくこと
の大切さを広めていくことが、国外から現地へ入っていくNGOの1つの大きな
役割になると思います。
情報源:IRIN(UNOCHA-Integrated Regional Information Networks :国連緊
急援助調整官室―統合地域情報ネットワーク) 2008.6.6レポートより抜
粋要約
ミャンマーの教育当局者によると,以前は110万人以上の子供達が通っていた
4,000以上の小・中・高等学校がサイクロンによって被害を受けたり壊れたりし
たということだ。全国的には6月2日に学校は再開され、またデルタ地帯でも比
較的大きな町の学校では再開の準備がされている。しかしデルタ地帯とヤン
ゴン郊外で被災した多くの学校の正式な再開は施設の広範囲にわたる被害
のため一ヶ月延期された。
UNICEFとSave the Childrenは地元の仏教徒と教会のグループと共に、学校
の建物を修繕し、『安全な学習空間』を設けるよう準備している。教材を持ち込
み、心的外傷を受けた生徒達への対処の仕方を先生達に教えて教育システ
ムが再び機能するように支援している。UNICEF報道官のMichael Bociurkiw
は、2004年のアジアの津波とパキスタン地震の例を示して、「子供達を学校に
来させるようにすることは、家族を支援し子供達を支援することにつながる。子
供達が学校へ戻ることは、子供達にはエネルギーのはけ口と癒しの機会を与
えることになり、両親と保護者には子供達の心配をすることなく生活再建に集
中する時間を与えることになる。」と述べた。
「しかし早く学校へ戻らないともう決して学校にやってこなくなるという懸念もあ
る。」とも言った。サイクロンの前でも、ミャンマーでは小学校の中途退学率は
高く大きな問題であった。5年の教育期間を終える前に、半分以上の子供達が
貧困と親の手伝いをしなければならないというプレッシャーから学校を離れて
いた。今このような緊急事態では学校へ来ない期間が長くなればなるほど学
校へ戻ってくる機会が少なくなっていく。
4,000以上の被災学校のうち、1,200が崩壊し、800がひどく破壊され、2,000以
上が強風で屋根が吹き飛んでしまった。支援団体は今20万以上の屋根用
シートを搬入している。学校がひどく被災した地域では、大きなテントや、竹や
ヤシというような地元の材料を使った簡単なシェルターを建てて『安全な学習
空間』を作っている。
どれくらいの先生達が生き残っていて仕事に復帰できるのか、どのくらいの子
供達が学校へ戻ってくるのか正確にはわかっていない。ある専門家によると、
ある遠隔地の先生が生徒の数を調べたらサイクロン前いた200人の生徒のう
ち70人だけが生き残っていたという。すでに支援団体は先生や一時的に先生
不足を穴埋めする地元のボランティアを訓練する計画をしている。「訓練計画
は、心理的な問題について、精神的な影響がかなり残る中で学校を再開する
にあたっての準備、つらい経験や家族を失ったことなどによる心の傷を抱えた
子供達をこのプロセスを通してどのように支えていくかなどである。」とSave
the Childrenのミャンマー地区次官のGuy Chaseは言った。