No.29-ネパール編①

古川禎久法相は7月29日、「人づくりによる国際貢献という制度の目的と、人手不足を補う労働力として扱う実態が乖離している」という専門家や支援団体の指摘を受けて、外国人技能実習制度の本格的な見直しに乗り出す考えを表明したと報道されていました。特に、ベトナムから来られているベトナム人技能実習生に対する人権侵害があまりにも多いのが現実で、憤懣やるかたない思いをずっと抱いていました。(本レポートNO 22参照)

さて、先日ネパールから来ている「特定技能実習生(介護分野)」が住んでいる神戸市内の市住・県住などを数か所回り、40人ほどの実習生に「MOTTAINAIやさい便」を届けてきました。みなさんが一日の仕事を終え、疲れを癒していた時に、突然訪問して申し訳ないと思いつつも、礼儀正しく、さわやかで、明るい実習生に迎えられて、こちらが癒される思いをさせて頂いたのです。そしてこの出会いが、「ご縁って不思議だなぁ」と言える典型的な出来事なのです。

というのは、こうしてネパールから日本語・介護学校を経て、日本に実習生を送り出している施設の関係者である神戸在住のネパール人Lさんは、ネパール地震(2015)後、CODEがご支援してきた被災地ソルクンブ郡グデル村のキーパーソンだった人で、私とは2年ぶりの再会となったのです。そして、兵庫県内に住むネパールからの実習生の中に、なんと前述のグデル村出身の若者が4人いたのです。「まさか、CODEがご支援させて頂いたあのグデル村から、日本のために介護実習生として働いている人たちがいるとは?」と想像だにしてなかったので、びっくりしたのです。

帰路、Lさんは、「みんな、介護の仕事をしていて、幸せだ!」というのです。「えっ?どういうことですか?」と聞き返すと、「日本のおじいちゃん、おばあちゃんの介護をしていて、人生の先輩で、こうして頑張って生きているという人の介護をさせて頂けるということが幸せだ!」と。おそらく、きっと施設で暮らす日本のおじいちゃん、おばあちゃんは、ネパールという遠い国からお世話に来てくれて、「ありがとうね!」と声をかけていることでしょう。しかし、逆にそのお世話をしている人たちが「しあわせだ!」と感動しているというのです。このことを聞いて、私たちは「ほんとうにこうした外国人の力がなければ、社会が成り立たないのだ!」ということも実感します。今日、冒頭の法務大臣の言葉を聞いて、「えっ、ほんとうなのか?」と失礼だが、正直いぶかったが、本当に見直してほしいと切に願います。

ネパールの実習生が働く高齢者向けグループホームを運営する大山守さんは、「介護の現場は外国人労働者がいなければ成り立たなくなってきている」と言われている。(2022年7月20日 神戸新聞より引用)

「ほんとうに、ありがとう!!」とお礼を言わなければならない。
(村井)

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