No.11-ウクライナ編⑧

CODE未来基金のメンバーとして、昨日、MOTTAINAIやさい便をウクライナの方に一緒に届けた学生、髙野史織さん(園田学園女子大学3年生)の感想をご紹介します。

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2022年6月20日(月)に、私はCODEの「MOTTAINAI やさい便」に参加させていただき、子ども食堂とウクライナから日本に避難してきた方に野菜を届け、お話をお伺いする貴重な機会に参加させていただきました。今回はその中でウクライナ人とのお話の感想をお話しさせていただきます。

私は今回の活動に参加する前、あることを感じていました。それは同じ地球に住んでいるため、他人事ではないとニュースを見て感じていました。ニュースでウクライナ情勢のことを毎日報道しているが、正直私自身分からないことが多々ありました。でもウクライナのことをニュースで報道されていることとは違う視点、例えば今何に困っているのか、何を求めているのか、に視点を置いて考えてみることが今の私にできことの一つなのではないだろうかと思ったため参加することに至りました。
テレビで見ると、ウクライナやロシア情勢のことが報道されている一方で、当事者一人ひとりの声が私たちに届いていないのが現状だと思います。一人ひとり抱えている問題は違います。話を丁寧に聞く必要があると感じていたため、今回の活動を通じてそれを意識しながらお話を伺うことができました。

午前中にお会いしたMさん(28歳)に初めてお会いした時、吉椿さんが「こんにちは。元気?」と尋ねたところMさんの一言目は「疲れました」でした。Mさんのお母様が幸い日本に避難してきたのですが、日本語が全く話せずMさんが通訳をしています。Mさんはずっと笑顔に振る舞っていましたが、話を聞いていくうちに仕事や家族の世話、通訳などによって身体的、社会的、精神的に疲れが溜まっているのではないだろうかと感じました。そこで、吉椿さんが日本人とウクライナ人の交流会(ピクニックやBBQなど)の話を振ったところ、「ピクニックいつしますか?!」と大喜び。私たちは、交流会を通じてMさんをはじめとするウクライナ人とのコミュニティづくりやウクライナ人のちょっとしたストレス発散につながることを望んでいます。

午後に伺ったのは、日本で結婚した神戸に住むNさん宅。そこには、Oさん(40代)、娘のPさん(15歳)、父(74歳)がウクライナ西部テルノーピリから4月に日本に避難してきました。
Nさん宅で印象に残っている会話は、
吉椿さん「Oさん(Nさんのお姉さん)、仕事見つかるといいね」
Nさん「仕事はどこで見つけたらいいか分からない。仕事を見つけるには、まず日本語がわからないと難しい。市は、子どもの学費は出してくれるが、仕事に対しての支援は出してくれない。やはり日本語が分からないと仕事を見つけるのは難しいです」言っていました。言葉の支援がきちんと整っていると仕事ができる環境が整います。Google翻訳を使用しても言葉のニュアンスが異なり、思うように会話ができないことがあります。
Google翻訳は、多くの言語に対応していますが、文化や慣習の違いを認識することはできません。そのため、もし、言語を外国の言語に翻訳する場合は、その国の文化や慣習を私たち自身が意識することは大切であると感じました。今後、交流会を実施することになれば、この問題を意識して日本とウクライナの文化や慣習を知ろうとする姿勢を持つ必要があると考えます。
また、Nさん宅で驚いたことが一つありました。それは、保険手続きのお知らせが届く一方で、年金支払いのお知らせが届いていたということです。避難してきたウクライナ人は、30年40年も日本に住むわけではないのに年金支払いを請求されていて行政との”ズレ”が生じていました。行政は、ウクライナ人が求めていることを何も知らないのではないだろうかと疑問に思いました。これだけニュースでウクライナ情勢のことを報道しているのに行政は本当にウクライナ人に耳を傾けているのか、と。このことから、私が感じたのは、行政もまずウクライナ人が”今なにを求めているのか”をきちんと理解することが必要であると思います。年金請求の知らせを受け取ったウクライナ人が区役所などに「お金を払える余裕はない」と声を上げるだけでなく、私たち日本人もウクライナ人の声をSNSを通じて発信していく必要があると思いました。

今回の活動で、日本に避難してきたウクライナ人が何に困っているのか、何を求めているのか知ることができました。このような活動を1人でも多くの方にも知ろうとする姿勢を持っていただきたいと思います。難しい場合には、ニュースなどで報道されていることに何か疑問を持って自分なりに考え、調べてみたり、このようなウクライナ人の”声”が書かれたFacebookの投稿などを共有・拡散することもウクライナ人のための大きな行動だと私は思います。今この文章を読んでいただいている皆さんの行動がウクライナ人の今後の生活につながっているといっても過言ではないと思うので、どうかウクライナやロシア情勢のことを他人事とは思わずに考えてみてください。
宜しくお願いいたします。
(園田学園女子大学 人間看護学科3年 髙野史織)

*ご協力のお願い
「MOTTAINAIやさい便」では、若者たちと一緒にウクライナからの避難者、アフガニスタンからの退避者、在日ベトナム人留学生や技能実習生などに新鮮で美味しい野菜を提供しています。ご協力お願いします。

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